2023年12月20日水曜日

 来日1年になる中学3年のAちゃんが、こんなことを言っていました。

「先生は船みたい。広い海で泳いでいて、どうしたらいいかわからないとき、やってくる船。」

現在のこどもの日本語教育は、サブマージョン教育(消極的二言語教育)だと言われています。

【サブマージョン教育(消極的二言語教育)】

少数言語を母語とするこどもを多数派言語の学級にいれ、自然にその言語を習得することを期待する。目標は多数派言語話者への同化

(補習を伴うサブマージョン:多数派言語を第二言語として指導する/取り出し授業を行う)

サブマリン、潜水艦というと、語感のイメージが湧くでしょうか。日本に来日して、日本語がまったくわからない子どもたちにとって、日本の学校や教室が海だとしたら、海の中で、周りの子どもたちの泳ぎを見て学びとりなさい、という感じに近いかと。うまく真似して泳げない子はどうなるでしょうか?沈んでしまいます・・・

Aちゃんが、私を船に例えたこと、こどもの日本語教育の現状を捉えていることに、切ない気持ちになりました。船が必要ない教育スタイルになるようにできることはなんでしょうか。

複数言語の転移を促進する教授法は、世界各地で生まれています。その中でも

トランスランゲージング(トランスランゲージング教育)

複数言語話者が、自分が持つすべての言語レパートリーを場に応じて柔軟に使用すること。教育者が実践の中で、こどもたちの持つ言語レパートリーの使用を促進していく工夫を取り入れることで、こどもの全人的発達につながるのではと思います。

日本語を学ぶという、こどもだけに課題を突き付けるのではなく、周囲にいる教育者や周りのこどもたちの捉え方、アプローチの仕方も同時に変容していく必要があると改めて、感じます。Aちゃんのいう船がなくても安心してみんなで泳ぎながら成長していけるように。



2023年11月18日土曜日

地球っ子わくわく広場 運動会!

 地球っ子わくわく広場の大運動会!

今年もこどもたちの元気いっぱいの姿が見れてとっても嬉しいです。

 小5の時からMCをしてくれているKくん、高校一年生に!小さい子ばかりではなくて、中高生たちが運動会を作る側にいてくれて、それもまたとっても嬉しかったです。

でも・・・いつも来てくれるムスリムの子たちとファミリーの姿がなくて

ガザの惨事のことで、心痛めている状況なのかと・・・

「わくわくみたいにいろいろ違っても仲良くしたらいいのにね」Aちゃんが呟いていました。







2023年11月2日木曜日

サクラサク

 中学3年のTちゃん。来日してもうすぐ1年です。がんばり屋さんのTちゃん、ベトナムで成績優秀だったようです。日本に来て、テストの点数を見て、愕然とした顔をしていたのが忘れられません。「こんな点数とったことない」日本語が初級レベルで、すべて日本語で受けている授業で、すべて日本語での試験で、高得点を取るのは難しいのは当然というしかないのですが、Tちゃんは、自分の努力が足りない、そう言うのです。とにかく、わかりたい、と言う彼女の思いを尊重して、日本語のレベルを大幅に超えた学習サポートをしています。

そして、すぐ目の前には、高校進学の壁があります。将来は大学で心理学について学んで、研究者になりたい、と言うTちゃん。ベトナムにいたならば、なんの迷いもなく、真っ直ぐに進学校を目指すのでしょう。ここ大分で、彼女の知的好奇心を満たす進学校に入学するには・・・5教科でかなりの得点をとらなければなりません。

ご家族や先生たちとも相談した結果、県立の進学校を目指すのは厳しい(国語と社会での点数を取れるようになるのには時間が足りない・・・制度の壁は個人の努力では越えられない現実)、私立の進学校の帰国子女枠で推薦入試を受けることになりました。自己推薦文、面接、そして3教科(国語、数学、英語)英語と数学が得意なTちゃん、無事に合格しました!

非常に限られた選択肢しかないという厳しい現実はなかなか変えられないですが、将来目指す夢に向かって真っ直ぐに前を向いているTちゃん、これからも全力で応援します。

Tちゃん、サクラ咲いたね。心から・・・おめでとう!!

2023年10月29日日曜日

Sunny Peppy〜高校生によるこども英語教室〜

 公民館とのご縁で、こども英語教室を企画させていただくことになりました。いつもは大学生に助けてもらういろはですが、今回は、高校生が大活躍です!!別府の翔青高校には、グローバルコミュニケーション科があり、大分県立で唯一外国人生徒の特別入学枠があり、日本語指導体制がある高校です。グローバルコミュニケーション科1年生、なんと12人もの生徒さんたちが、手をあげてくれました!その中には、外国にルーツを持つ子たちも3人いて、英語力を活かしてくれ参加してくれることになりました。

教室名、みんなが考えてくれました。

Sunny Peppy〜太陽のように元気いっぱい〜

名前の通り、元気いっぱいの教室がスタートしました!

看板はこども英語教室ではありますが、私の中では、英語というひとつの外国語を通して、地域のこどもたちに、多様な習慣や文化に出会ってもらう場になって、多様であることは豊かなことなんだと思ってくれたらいいなと思います。



高校、公民館、こどもたちに許可を得て、インスタで活動を紹介してくれています🎵
(Sunnypeppy _beppuで検索) この動画も、Sunny PeppyのNちゃんがつくってくれました!すごいスキルだと思います!SunnyPeppyの一人一人、個性と可能性に溢れる素敵なメンバーたちばかりです。




2023年10月22日日曜日

高校進学の壁

 中3で日本語ゼロで、親御さんの留学に同伴して来日したAちゃん。1学年学齢を下げての転入でした。「すべての授業が日本語で行われることを日本に来てから知ったの」と言っていました。転入してからの一番の懸念事項は高校進学でした。自分の将来の希望にあった高校に進学するには、日本語で教科学習の内容がある程度分かる日本語の力がどうしても求められます。ひらがなを覚えるところから・・・必死で準備をして、大分県で外国人生徒の入学枠のある県立高校に無事に進学できたAちゃん。高校生活がスタートし、一安心していました。夏休み前になって、他県に引っ越すことになったと聞いたときには、頭が真っ白になりました・・・土地勘も知人もない場所で、新たに高校進学先を見つけなければならなくなりました。高校の先生方も県教委も探してくれましたが、公立高校での受け入れ先は見つからず、授業料は高額だけれど英語重視の私立のインターナショナルスクール1校が頼みの綱となりました。英語が母語といってもいいAちゃん、インターナショナルスクールならば進学できる可能性が高いと思っていたのですが・・・「日本語の力が充分ではない」という理由で入学することは叶いませんでした。Aちゃんは定時制の高校に進学するために準備をしています。既に、2か月もブランクが空いています・・・

将来大学に進学したいAちゃん。もし自分の国にいたならば、高校2年生で、自分の知的欲求に合った高校に進学していたことでしょう。日本に来たことによって、学年が1つ下がり、高校の選択肢はない現状、定時制の高校では卒業まで4年かかるケースが多いそうで・・・

高校進学の壁、Aちゃんの努力や思いだけではどうにもならない制度の壁

「先生、私、将来をあきらめたくない」とAちゃん

早急に改善されること、Aちゃんが自己実現できる道が拓かれることを願わずにはいられません。

2023年10月19日木曜日

地球っ子わくわく広場 6歳半

地球っ子わくわく広場が誕生したのは、2017年4月21日。いつのまにか6歳半!コロナ以降、集まれるのは月に1度だけれど、それでも、ここで出会ったこどもたち同士、おうちの方同士がじわじわと繋がって・・・多文化・多言語に生きるこどもたちを取り巻く、あたたかいプラットフォームになってきているように感じます。

来日した多文化ファミリーは、職場や学校を通してしか社会と繋がっていなかったりする場合も少なくなく、社会関係資本の乏しさを感じます。わくわくで、少しでも地域とのつながりが生まれて、住み心地いいと思える豊かな生活のきっかけになればうれしいです。

久しぶりに撮った集合写真・・・コロナになって、もうこんな風な集合写真なんて撮れないんだろうなって思っていたので、とってもうれしいです!

いつか、地球っ子わくわく広場なんていらないよ?みたいな、多文化・多言語に生きるこどもたちやファミリーがごく自然に自分たちらしくいられるそんな社会が来る日まで、よろしくね。

毎月第3土曜日、13:00〜14:30、APUプラザで待っています🎵

こどもたちに寄り添ってくれるボランティアさんも大歓迎です!

mkidsiroha@gmail.com 立山愛













2023年9月18日月曜日

多言語スピーチ会参加のお礼

 多言語スピーチ会にご参加くださった皆さま

こどもたちによる「多言語スピーチ会」が終わりました。

こどもたち一人一人の「ことば」「きもち」を、みなさまの心に届けることができたでしょうか。

スピーチをしてくれたこどもたち、サポートしてくれたまわりの人たち、視聴で応援してくれたみなさまに、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

大分県内だけでなく、さまざまな地域や国から、140人を超える視聴申込みをいただき、こどもたちにたくさんの応援を感じてもらえたのではと思います。

こどもたち一人一人にとって、他者に自分の「きもち」を「ことば」で伝えるという大きなチャレンジ、そのチャレンジする姿をたくさんの人たちに見てもらえたという大きな経験になったのではと思います。

今年で3回目の多言語スピーチ会、これまでにスピーチをしてくれた子たちの成長を端々に感じました。そして、初めて参加してくれた子たちが、互いに「つながりたい」と思っていることも感じました。今回は初めてこども実行委員会が運営してくれ、スピーチ会の後も「つながりたい」気持ちを、実現していってくれるのではと思います。

こども実行委員会に手を挙げてくれたマリアさんがスピーチ「人との出会い」の中で

「私の人生で母以外に、私の人生に大きな影響を与える人々に会えると想像したことは一度もありませんでした。自分には何もできない、ダメだと思っていた私が、今ここに至るまでに直面した困難と、周りの人々の助けを借りて乗り越えてきたことについて話したいと思います・・」そのお礼を伝える場として、このスピーチ会を選んでくれたこと、自分と同じような気持ちを持っているかもしれない子たちに、困難なことがあってもきっと大丈夫、大切な人との出会いがきっとある、というあたたかいメッセージを放ってくれました。

これからも、それぞれの地域で暮らす多文化に生きるこどもたちを含めたこどもたちみんなが、安心して笑顔でありのままに生きていけるよう、そのためにこの多言語スピーチ会が少しでも、プラスの力になったならうれしいです。

こどもたちへのメッセージ、スピーチ会参加後のご感想、ご意見など、下記のアンケートフォーム内にぜひお寄せください。

【アンケートフォーム】

https://forms.gle/PuYZjuGj958LEzAx7

尚、本日の多言語スピーチ会に、大分合同新聞社、今日新聞、CTBメディアの方達が取材に来てくださいました。よかったら、そちらのほうでもこどもたちの思いやメッセージを受け取ってください。

多文化に生きるこどもネットワーク大分

事務局一同より

感謝の気持ちをこめて

kodomonet.oita@gmail.com

https://kodomonet-oita.blogspot.com/


2023年9月4日月曜日

多言語スピーチ会 2023

多言語スピーチ会のお知らせです!

今年で3年目になるスピーチ会、今年も30人を超えるこどもたちが、自分のことばで、自分の思いを、自由に語ってくれます。多文化に生きるこどもたちだからこそのメッセージをぜひ受け取ってください。

今年は、こども実行委員会も誕生しています。よりこどもたち中心のイベントになっていったらいいなと思います。

【多言語スピーチ会 2023】

2023年9月17日(日)13:00~16:00
APUプラザ大分(別府市)+ オンライン配信(ZOOM)

〈参加方法はふたつ〉
① APUプラザ大分へのご来場
② オンラインZoom でのご視聴

今年はオンラインでの視聴だけでなく、会場に100人まで来場可能になりました。ご視聴くださる方は、以下のフォームにてお申込みをお願いします。

視聴申込みフォーム
https://forms.gle/pNxEGn2DkgLgNFJL9

こどもたちや保護者の方、サポーターの方々が頑張ってくれているので、できる限りたくさんの方にこどもたちの声を聴いてほしいのですが、なかなか多くの方にこの活動をお知らせすることができません。よかったら、ご家族、お友だち、学校など周りの方たちに共有いただけたらうれしいです。

今回は、たくさんの後援をいただきました。
大分県、大分市、宇佐市、別府市、大分市教育委員会、宇佐市教育委員会、中津市教育委員会、日田市教育委員会、別府市教育委員会、大分合同新聞、別府大学、立命館アジア太平洋大学、(一社)B-Bizリンク、株式会社Doit、呉議員(台湾)

大分に生きるこどもたちと手作りで育てるスピーチ会、ぜひ応援よろしくお願いします(^^)





2023年9月1日金曜日

活動に参加してみたい方へ

 「いろは」は、大分県の別府市に暮らす多文化・多言語に生きるこどもたちと一緒に活動してくださる方を随時、募集しています!

この活動を始めた頃は、こどもたちを対象とした公的な日本語指導制度そのものがなかったのですが、今では、別府市教育委員会からの派遣制度、地球っ子わくわく広場という地域の日本語教室(多文化理解教室)があります。まだ限定的な時間数で、十分という体制ではないですが、ご連絡いただければ、概要をご説明したり、市教育委員会へお繋ぎしたり、地球っ子わくわく広場で一緒に活動してもらったりできます。


① 日本語指導員(学校教育課から小中学校へ派遣)

 以下の条件のいずれかにあてはまる方

 ・日本語教育機関で指導経験がある方
 ・日本語教師養成講座修了者
 ・日本語教育検定試験合格者
 ・小学校、中学校において、指導経験がある方


② サポーター (社会教育課から小中学校へ派遣)

 特に、資格や経験等は問いません。子どもたちに寄り添い、子どもたちの交流のお手伝い等への参加をお願いいたします。

③ 地球っ子わくわく広場 ボランティア

 特に、資格や経験等は問いません。毎月第3土曜日に、APUプラザでの活動です。子どもたちと一緒に勉強したり、遊んだり、おうちの方たちとおしゃべりしたりという活動です。

ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。お繋ぎいたします。

多文化こどもネットワーク いろは
担当: 立山

Email: mkidsiroha@gmail.com

2023年8月23日水曜日

2023年9月の地球っ子わくわく広場

 夏休みもあと少しですね、8月のわくわくでの工作、楽しかったかな。

9月はお勉強わくわくです。宿題持って来てね~

 




2023年8月2日水曜日

「時計の時間と心の時間」

 来日して2年半の小6Yちゃんが書いた作文の一節がとても沁みたので、少し紹介させてください。

作文のタイトル「時計の時間と心の時間」

・・・人にとって、心の時間と時計の時間は本当にちがうと思います。すきじゃないことをしているときは時間がなかなか過ぎません。心の時間の感じ方がちがうから、その人に「このことが好きですか」ときいてから、そのことをしていくことに気をつけていきたいと思いました。


作文のタイトル「コロナウィルスとは何でしょうか」

・・・この世界のみんながいつも、いつも元気でいてほしいけど、やっぱり人の気持ちを考えないといけないと思います。人の気持ちを考えたら、相手も豊かな気持ちになるし、自分もいい気持ちになります。豊かな気持ちとは、まわりの友だちからいじめられなくて、ちゃんと私の気持ちを分かってくれてよかったということです。


2023年7月30日日曜日

2023年8月の地球っ子わくわく広場

 Dear 地球っ子わくわく広場のみんな

夏休み、元気に過ごしていますか。

8月19日(土)13:00~14:30

夏休みの宿題を持って来てね。工作もしますよ~♬



2023年7月9日日曜日

Co-Learnes

 M小学校には、大学生の方達が毎週ボランティアでこどもたちのサポートに来てくれています。「こどもたちのサポート」というと、どんなことをしているイメージですか?

通訳?日本語を教える?教科の勉強を教える?

実は、それだけではなく、学校だけでは担いきれない大切な役割をになってくれている、そう思っています。そのことを見える形にすることで、大学生のみなさんへのお礼になれば、そして、学校がより、多様であることの豊かさを活かせる場所であることにつながればと思い、日本語教育学会 九州・沖縄支部集会で実践紹介してきました。

よかったら、ポスターで内容をお一読いただけたら嬉しいです。

https://www.nkg.or.jp/event/.assets/20230708kyushuokinawa_poster.pdf




2023年7月6日木曜日

2023年7月の地球っ子わくわく広場

Dear 地球っ子のみんな

今年もわくわく夏まつりをします♪

2023年7月15日(土)13:00~14:30
APU PLAZA OITA

ゆかたやじんべい、みんなに来てもらえるように、たくさん用意しておきますね。わなげ、しゃてき、ボーリング、さかなつりゲーム、くじ、やっちきダンス・・・いろいろ楽しいことしてあそびましょう~

あそびにきてね。



 

多言語おはなし会のお知らせ

 多言語おはなし会のお知らせです!

大分県立図書館でいろいろな言葉によるおはなし会があります。日本語だけでなく、英語、韓国語、中国語でおはなしが聞けるとても素敵な機会だと思います。

【場所】大分県立図書館 1回第6研修室

【日時】英語のおはなし会 7月21日(金)26日(木)14:00~14:30

韓国語のおはなし会 8月4日(金)14:00~14:30

中国語のおはなし会 8月16日)(木)14:00~14:30

【お問い合わせ・申込み】大分県立図書館児童サービス担当(子ども室)

電話 097-546-9981   メール jidou@ms1.oita-library.jp

くわしくは、案内をご確認ください。










2023年7月5日水曜日

恩返し

 来月ベトナムに帰国するBちゃん。Bちゃんのお母さんから相談がありました。「これまでたくさん娘がお世話になったから・・・何かお礼がしたいです。何か私でできるボランティアはありませんか?」

心熱くなる優しいお申し出をいただきました。

それで、市のボランティア登録に行ってみてくださいとお伝えし、早速市役所に行ってくださったのですが、日本語はあまり話せないということもあってか、マッチング叶わず・・・

それで、小学校の校長先生に相談してみました。「お母さんは英語ができるから、英語の授業をサポートしてもらうのはどうでしょう?」

早速今日は、Bちゃんのお母さんが来てくれました。こちらのリクエストに応えて、美しいアオザイを纏ってきてくださいました。英語でベトナムのことをプレゼンテーションしてくれました。

ちょうど、Kちゃんのお父さんが用事で来校していて、Bちゃんがボランティアをされている姿を見られて、是非、自分にも声をかけてほしいと。

こんな風に親御さんが思って行動してくださる姿に、感動しています。

2023年7月1日土曜日

地球っ子わくわく広場 七夕

 地球っ子わくわく広場、今年も無事に七夕をすることができました。

去年に引き続き、竹瓦温泉をお借りして、こどもたちのいろいろなことばに彩られた笹飾りができました。みんなの願いが星に届きますように☆彡








2023年6月22日木曜日

折り鶴

 日本語教室によく来てくれるMちゃん。Mちゃんは、インドネシアからのAちゃんの親友です。

Mちゃん、新しく外国からの子が来ると、どうやったらその子が笑顔になるかを一生懸命考えてくれます。ベトナムからのNちゃんが入学したときも、みんなが興味津々で見にいくやじうまたちに一喝していました。「そんな風に、変わった人を見にいくようなことしたら、Nちゃんいやだと思うよ!」と。

そんなMちゃんのお母さんが入院していることを聞いた日本語教室の子どもたち・・・みんなで千羽鶴を折って贈りたいねと。MちゃんとAちゃんは、修学旅行でたくさん平和について考え、学んできたばかり、千羽鶴のこともよく知っています。

日本語教室の子たちは折り紙は折り慣れず、悪戦苦闘していましたが、いろいろなお友だちにも手伝ってもらって、今日、無事に渡せたようです。千羽には届きませんでしたが、きっと、思いが届き、Mちゃんのお母さんが快癒することを祈って。

こどものことばについて学び合う会をはじめませんか?

 「多文化に生きるこどものことば研究会 大分(仮名)」発足についてのお知らせです。

大分県内には、多様な言語・文化背景を持つこどもたちが暮らし、それぞれの年齢や発達段階に応じて、ことばの力を育んでいます。こどもたちのそばで、日々そのことばの教育(日本語教育および母語・継承語教育)に奮闘しておられる方々と一緒に学び合う会をスタートできたらと思いご連絡いたしました。こどもたちのことばの教育の実践と理論の往還を図り、それぞれの教育現場をより豊かにしませんか。

名称:多文化に生きるこどものことば研究会 大分(仮)

発足のためのプレミーティング(オンライン)

日時:2023年6月30日(金)20:00~21:00

プレミーティングでは、研究会の名称や目的、やってみたいことについてのブレーンストーミングができたらと思っております。詳しくは、添付のご案内をご覧いただけたらと思います。

多文化に生きるこどもの育ち、ことばの発達・教育に関心があり、主体的に取り組む意欲のあるみなさま、是非ご一緒に(^^)

この指とまれしてくださる方は

以下の申込フォームにてお知らせください。

https://forms.gle/1PkjPGrofP8X88qG9

詳しくは、添付の案内をご確認お願いいたします。

発起人:本田・羽野・村上・立山

問い合わせ先:mkidsiroha@gmail.com(立山)


2023年 多言語スピーチ会

 多言語スピーチ会のお知らせです。

第一回(2021)、第二回(2022)と、大分につながりのあるたくさんのこどもたちが、いろんな立場で想いをことばにしてくれました。その想いが、聴く側の心に深く沁みたり、笑顔をもたらしてくれたり、感動を与えてくれたりしました。今年も、たくさんのこどもたちの心の声を届けられる場にしたいと考えています。

こどもたちのそばにいるみなさま

「その気持ち、届けてみない?」「チャレンジしてみない?」「日本語でも、母国語でも、どっちでもいいよ!」など、気になるあの子、大切なあの子に声をかけてくださいませんか。スピーチ会に出るには、申し込みやスピーチの準備、当日の参加まで、そばにいるみなさんの伴走が必要です。ぜひあたたかいサポート、よろしくお願いします。



2023年6月10日土曜日

「とても」

 小学校、中学校で過ごす子どもたち、当然のことながら日々、飛び交う日本語を耳にし、解釈しようとしています。「とてもおもしろい」っていうのを、みんながいろいろ言っているようだけどよくわからない、という質問がきました。聞いたことがあるものを挙げてごらんというと・・・

めっちゃおもしろい

まじおもしろい

えぐおもしろい

くそおもしろい

ばりくそおもしろい

ガチおもしろい

・・・

確かに、みんなの日本語の教科書には出てこないものばかりだね(苦笑)

中でも「えぐ!」「ガチで?」はよく耳にするらしく、私も正しい使い方に自信がないので、クラスメイトを呼んで、ミニ講座をしてもらいました。こどものにほんごって、がちむずかしい・・・

2023年6月1日木曜日

友だちができるまでの日数

 別府に来て1年が経つ中学1年のAくん、おうちの事情で県外に引っ越すことになりました。

その話題になると、「行きたくない、考えたくない」とつぶやきます・・・

そして私に聞いてきました。「先生、ぼくが最初の友だちができるまで、どのくらいかかったと思う?」「4か月だよ・・・やっと、友だちができたのに。」


その会話をそばで聞いていた中学3年のBちゃん、「4か月?私は10か月もかかったよ」

今でこそ、笑顔で冗談も言えるふたり、来日してどれだけがんばってきたのかを改めて感じました。

今のAくんなら、新しい土地での友だちができるまでの日数、きっと・・・ずっと短いはずだよ。

2023年5月29日月曜日

図書室という故郷

 中学校での取り出し日本語の授業、図書室でしています。いつもそっと、司書の先生が見守ってくれている環境です。さりげない心遣いがあたたかいです。

今月はあじさいまつり、たくさん本を読んでもらうために、司書の先生や図書委員のみなさんは工夫しています。その一つ、読書ビンゴ。いろいろなジャンルが書かれたビンゴ、読んだら埋めていって、ビンゴになるとプレゼント(+1券やしおり)がもらえます。よく見ると、英語バージョンのビンゴ用紙が!

他にも、多言語・多文化に関する図書を集めてコーナーをつくってくれたり。(周りの子たちに関心を持ってもらうきっかけづくりに)

日本語を学ぶ子たちが読みたくなるような本をリサーチしてくれたり、リクエストを聞いてくれたり

そっと、言葉がなくてもコミュニケーションできるゲームを持って来てくれたり

昨年度、在籍学級になかなかなじめず、いつも図書室にいたKくんにとって、ここは、なくてはならないあたたかい場所だったのだと思います。今では在籍学級にしっかり居場所ができたKくん、図書室はきっと・・・校内の小さな故郷かもだね。


2023年5月26日金曜日

オノマトペ

 ここ最近、猿の目撃情報多発。日本語教室の子たちも、帰り道に猿を見たよ!と。

学校では猿と遭遇しても目と目を合わせないことを指導しています。

そこで急遽、いろいろな「見る」の言葉と動作で、猿にやっちゃいけないことを確認しました。

じーっと見る ×

じろじろ見る ×

目を合わせる ×

そっと見る  △

ちらっと見る △

きょろきょろ見る △

「見る」クイズ(動作と文をマッチ)をしたら、楽しかったようで、オノマトペにすごく興味を持ったようです(笑)今度は、笑う、泣く、怒る、歩く、話す・・・バージョンでクイズしてみようね!


2023年5月5日金曜日

「恋しい」

 日本語教室に持っていくタブレット、こどもたちは調べものや辞書としてよく使います。ふと、google翻訳のアプリの検索履歴が目に留まりました。

” I miss Indonesia."

Nちゃん、自分の気持ちを日本語でなんというのかを知りたかったのかな

誰かに言うというわけでもなく、ただ検索したかったのかな

住み慣れた国のことが恋しい、とても当たり前の感情のはずなのに、それを日本語でどう表現したらいいかを知りたかったということに、胸がきゅっとしました。

今月はNちゃん、長崎に修学旅行です。恋しい気持ちを忘れるくらいの、楽しい思い出ができるよう、準備のサポートしたいと思いました。

ゴールデンウイーク





私:「(月曜の授業で)日曜日は何をしましたか。」

Cちゃん:「ずっと家にいました。」

Cちゃんは、お父さんお母さんが忙しくて、休みの日は家で過ごすことが多いそうです。大分にある遊園地や水族館などの名前を言っても、聞いたこともない、と言います。ゴールデンウイークも、どこにも行く予定がないと。

私:「みんなでザリガニ釣り行こうか?」

Cちゃん:「ぜったい行くーーーー!!!」

小学校と中学校の日本語教室の子たちに声をかけたら、なんと、ザリガニ公園に11人全員集合~

ザリガニ釣りをしたり、おにごっこをしたり、バドミントンをしたり・・・みんなそれぞれにいい顔をして遊んでいました。

外国から来たこの子たちには、この町におじいちゃんおばあちゃんがいるとか、近所の仲良しの子がいるとか・・・社会的つながりが希薄だということは否めません。学校・おうち以外に、外の世界につながる機会がいろいろ増えるといいなと思います。社会参加の機会を見つけて繋ぐ人でありたいのと、私のような身近におっせかいを焼く人がふえるといいなと思います。


ちなみに、ナイジェリア、インドネシア、ベトナムの子たちによると、お国ではザリガニはごちそうなのだそうです。持って帰って食べる?と聞くと、ちょっと考えて、食べないで大事にするんだそうです!


2023年4月28日金曜日

修学旅行の準備~ムスリムのNちゃんの場合~

 修学旅行まであと1か月となりました。担任の先生とおうちの方とで、確認したいことを出し合う場を持つことになりました。(私は文化通訳(^^) Nちゃんはムスリムなので、まずは食事のこと、そしてお祈りのこと、おふろのことを確認しました。旅程は1泊2日なので、食事は昼、夜、朝、昼の4食。初日の昼は、おうちからお弁当を持っていくことに。ホテルの夕食と朝食は、メニューと食材をひとつひとつチェック。豚、ゼラチン、ポークエキス、みりん、この4つのワードがあれば、そのメニューの代替えをホテルにお願いしようということになりました。

2日目の昼はミールクーポン(自分たちで好きなお店で買う形)なので、お店のメニューをひとつひとつチェック。4つのワードが入っているものには色ペンで印をつけました。Nちゃんには、ミールクーポンを持っていくお店で、色ペンでの印がないメニューから選べば大丈夫そうです。

お祈りは1日5回、お祈りの時間にいる場所を確認して、例えば早朝であれば自分の寝床なので、そこでお祈りすればOK。お祈りする方角を確認するために、方位磁石を持っていこうか?ということになりました。

Nちゃんが安心して修学旅行を存分に楽しめるように、周辺的な環境面での配慮はしっかり対応していこうという先生の丁寧な対応に、とてもあたたかい気持ちになりました。

2023年4月27日木曜日

文化通訳

 新学期がスタートし、二者面談が始まりました。

コロナ禍前は家庭訪問でしたが、今は学校におうちの方に来てもらい、担任の先生とおうちの方とで面談をする形です。

担当している小学校で日本語指導をしている私ですが、面談に立ち会うことになりました。名目は通訳ということになっていますが、英語なら、私が立ち会わなくてもgoogle翻訳でなんとかなると思っています。私の役割は言語的な通訳ではなく、文化的な通訳だと思っています。

自称「文化通訳」

文化的な差異を交えて意思疎通するのは、機械翻訳にはできないことかなと思っています。例えば、宿題の提出についての話題・・・出身国で宿題の文化の有無を確認した上でディスカッションに持っていくのも文化通訳の役割かなと思います。日本の学校文化は世界的に見ればかなり特殊だと思うのですが、日本の学校教育しか知らない立場からすれば疑いようもなくあたりまえという前提で話が進むと感じています。

ちなみに、日本語指導員をしていると、「通訳さん」と呼ばれることがあります。「文化通訳です」という表現があればそれのほうが近いのになぁと心の中で思います。ついこの間は、事務室の先生に「先生のご専門は英語ですか?」と聞かれました・・・日本語教育です~!(笑)何年もこどもたちに日本語を教えに来ているのに、未だ日本語教育は認知度が低いようです(;^_^A

2023年3月30日木曜日

私の強み🌸

 中3の4月に日本語ゼロで来日したEちゃん、希望する高校に進学を果たしました。本人の努力はもちろん、親御さんの応援、友だちの励まし、担任の先生の丁寧な対応の数々、学年主任や管理職の先生方のサポート、高校側の理解、県教委のサポート、日本語ボランティアの先生のサポート、ALTの先生の面接対策・・・ぱっと思いつくだけでも、本当にたくさんの人たちの力が寄り集まって、叶った進学だと感じています。

そのことをEちゃんは理解していると思います。そして、高校で大きく成長していくと思います。

Eちゃんが、中学校の3学期の日本語の期末試験で書いた「私の強み」

この1年間、チャレンジし続けたEちゃんの姿を見てきたよ・・・誇りに思います。

日本語 期末試験

試験問題13「私の強み」を自分の国のことばで書いてください。どうしてそれが「私の強み」なのかわかる具体的なエピソードも書いてください。

Though my life before coming to Japan, I never knew what my strength was. But as life would be I came to Japan, started a new life and new school. My first four months at school was the worst experience of my life. But after even the four months I realised I was better than the first day. I did challenge every possible problems I was going to have and now the things I couldn't do a year ago I can do it now. I am very proud of myself. Because I challenge so many things in the past years. So I would say my strength is I challenge myself hard.

日本語訳:日本に来る前、私は自分の強みが何かわかりませんでした。日本に来て、新しい生活、新しい学校が始まりました。来日して数か月は人生で最悪の経験でした。しかし、4か月経った後、最初の頃よりはずっと成長していることに気が付きました。あらゆることにチャレンジし、1年前にはできなかったことも今はできるようになりました。私は自分自身を誇りに思います。なぜなら、多くのことにチャレンジしているからです。

以上のことから、私の強みは、私自身に一生懸命チャレンジしていることだと思います。 

2023年3月6日月曜日

国際まつり 2023

今年で3年目の国際まつり、元気に開催中です。

今年度も、例年通り、1週間日本語教室にたくさんのこどもたちの作品を掲示しています。そして、動画(国際まつりのメッセージ、インドネシアのじゃんけん、しあわせなら手をたたこう6か国語バージョン)を全校の各教室で視聴してもらいました。

今年度の新しい取り組みは、大学生のみなさんによる、2年生の総合の時間を活用した多文化理解の授業、そして、国際まつりの告知を全校集会でこどもたちが行うことです。

こどもたちとは限られた時間しか会えないので、隙間時間を見つけながら、掲示するポスターや動画をしあげていきました。むずかしいのは、国際まつりの目的や意義をこどもたちを考え、共有することです。こどもたちは、アイデンティティという言葉も知らないでしょうし、自覚していないかもしれません。それでも、自分たちが生まれ育った国のことに、周りのお友だちが関心を持ってくれることはうれしいと感じているようです。

国際まつりに関心を寄せてくれるまわりの先生たちやこどもたちの何気ないつぶやきや反応、声掛けで、自分たちの言語や文化を承認されているという安心感や自己肯定感につながっていけばと思います。















2023年2月24日金曜日

N2に合格!

 小5で来日したKくん。1年も経つ頃にはおしゃべりが上手になったけれど、その後、学習言語の難しさを抱え、それでも、何事もいつも前向きに、たくさんのチャレンジを重ねながら中学生活を過ごし、無事に高校に進学したのが去年の春。

高校に進学後、Kくんの高校の国語の先生に、日本語能力試験の話をしに行きました。Kくんが高校在籍中に、受験してもらい資格という形を持ってほしくて。国語の先生は元日本語教師だったそうで、話はとてもスムーズで、Kくんには日本語能力試験の問題集に取り組んでもらうことになりました。そして、見事N2に合格!!

高2になったKくん、N1にもチャレンジするそうです。高校卒業後、進学するにしても就職するにしても、N1レベルの日本語の力があることはプラスになると思います。がんばって~!

2023年2月12日日曜日

Cultural day



 中学校の日本語教室の子どもたち4人で

Cultural day 世界の日〜ナイジェリア・ベトナム・ウクライナの写真展〜

を準備しています。

自己紹介の動画を撮っていたときのこと。Eちゃんが「私の名前は…」で始めると、「違うよ、私はナイジェリア人です、っていちばん最初に言わないと」とKくん。13歳の心に、自分が何者であるかという意識はしっかりと育っているんだなと感じた瞬間でした。


Cultural day 世界の日

~ナイジェリア・ベトナム・ウクライナの写真展

2023.2.24(Fri)@図書室

「わたしたちの国や言葉を通して、世界を身近に感じてくれたらうれしいです。」






2023年1月20日金曜日

地球っ子わくわく広場 2023年1月&2月

 新しい年が始まりました。2023年も、地球っ子わくわく広場に、こどもたちの元気、こどもたちの笑い声、こどもたちのいろいろなことばが満ち溢れますように。

1月のわくわくは、お正月あそびです! 獅子舞いも来てくれます♪

福笑い、巨大すごろく、だるまおとし、着物コーナー、おみくじ、絵馬、年賀状・・・

いろいろなあそびをしましょう♪ 今年もイタリアのゲーム、そして中学生DJがBGMを担当してくれるのでお楽しみに♬

参加無料・要予約 070-6595-4466 (Ms. Tomoko Ko)