2016年2月24日水曜日

取り出し日本語教室

小学6年生のIちゃんとは、日本語教師3名でシフトを組み、現在週3回の取り出し授業を行っています。来日して7か月程ですが、レベルチェックの結果、ゼロ初級から指導することになりました。学校での生活には慣れ、友だちとコミュニケーションもとれるようにはなっているようですが、ひらがなやカタカナの読みも、清音以外はあやふやな部分が多く、耳で聞いた音をほとんど文字化できず、基礎的な文法は全く理解できていない状態でした(例えば、見ますの否定形が見ませんという形ではなく、「見る、ちがう」という風に表現している)漢字圏の出身なので、共通する意味の漢字が多く、理解できていると思われがちですが、意味が異なる語彙も多く、たとえば、「山」「田」などの小1の漢字も、読みとなると全くできない状態です。

日本語初期指導をしながら、いつも念頭に置いているのは、自立して学習できるような力をつけさせること。わからない語彙は、辞書で確認し、自分のノートに書くという習慣は身についてきました。授業も、できるだけ、自力で文を作って、口頭で言ってもらうように意識しています。そして、それを書くということも。

1か月経って、動詞のレパートリーも少しずつ増えてきて、表現できる内容が広がってきました。表情もイキイキしてきたように思います。もっと知りたい!と意欲がもっともっと湧いてくるといいなと思います。

来日してすぐの頃のIちゃんは日本語学習意欲、ゼロ、いやマイナスでした(苦笑)指導したくとも、取りつく島なし、という印象でした。年少者の場合、本人が望んで来日しているわけではないので、(親の都合での来日)日本語を覚えたい!という気持ちをおこすことがカギなんだなぁとIちゃんを見て改めて感じています。

今のIちゃん、いい感じに伸びてきてます。もっと意欲的になれるよう私たちも工夫していきたいです。

2016年2月20日土曜日

プレスクールの様子

プレスクール3週目が無事に終わりました。7名の子どもたち、だんだんクラスの雰囲気にも慣れ、元気に手を挙げて発言する姿も増えてきました。

子どもたち7名に対して、日本語教師1名、大学生のサポーター4名体制。大学生の中には、日本語教師志望の方もいて、今日は当番日ではなかったのですが、ボランティアで参加してくれました。子どもたちの日本語というだけでなく、サポートする側にもプラスの企画になって、なによりです。


今日は、体の部位の名前と、「~がいたいです」や、トイレの使い方など、動きのある活動が多く、子どもたちもイキイキしていました。ムスリム圏の子どもたちはトイレ事情が異なる場合があり、トイレをがまんしてしまったり、「ペットボトルに水を持ってきて」といわれ私自身、戸惑ったことがあります。

プレスクールでは、日本語の言葉そのものだけでなく、普段学校ではあたりまえとされている小さなルールなども伝えられたらと思います。

2016年2月19日金曜日

多文化こども交流合宿

 大分県人権教育ワークショップ研究会から、「多文化こども交流合宿」のお知らせです!

「先生・支援者のみなさまへ


大分県に住む外国にルーツを持つ生徒の多くは、言葉がわからない、そのために心から話せる友人が少ない、学習についていくことが難しい、将来のための情報を得ることが難しいなど、さまざまなストレスを抱えています。仲間がほしくても、生徒さんが一歩踏み出して参加するには勇気がいります。身近な先生からのあたたかい後押しが必要です。また、生徒に関わる私たちも、どのような対応をすればよいのか、悩みや不安を抱えています。教師や支援者が情報交換し、一緒に考えることが、多文化教育の第一歩になるのではないでしょうか。部分参加でも結構ですので、引率として生徒さんとご一緒にご参加ください。」
私も、繋がりのあるこどもたちや、先生方を誘って、参加したいと思います!昨年の、臼杵のお寺での合宿も、一緒に語り合ったり、料理したり、枕投げしたり・・・そんな時間から生まれる「気持ちの変化」をこどもたちにも、私自身の中にも感じた貴重な経験でした。外国にルーツを持つ大学生が話してくれた・・・過去の自分、今の自分、どんな風に変わっていったのか・・・とても心に響きました。今年の合宿も楽しみです。





2016年2月17日水曜日

子どもの日本語教育研究会

「子どもの日本語教育研究会」が3月に発足します。以下、第一回大会のご案内です。各地での「子どもの日本語」に対する奮闘や課題が、こうして研究会を通して共有しやすくなること、嬉しく思います。そして、「子どもの日本語」が、今後益々、見逃してはいけない多文化共生の課題として認識されていくきっかけになればと思います。
2016年「子どもの日本語教育研究会」年次大会(第一回大会)のご案内 
日時:2016年3月26日(土)午前10:30-17:00  
場所:東京女子大学 24号館1Fホール http://office.twcu.ac.jp/info/access.html
<趣旨>
2016年3月、「子どもの日本語教育研究会」を発足します。第一回年次大会では、学校や地域の現場で実践に携わっている方やその研究を進めている方に、実践や研究の発表の場を提供し、子どもたちの日本語教育の「現在」について理解を深めたいと思います。その後、講演・パネルセッションを通じて、国内の子どもたちの日本語教育の課題の再設定をし、本研究会の今後の活動展開について議論を行います。ご興味のある方は是非ご参加ください。(定員200名)
 2016年2月1日より、子どもの日本語研究会第一回大会(3月26日(土)於東京女子大学)の一般参加の申し込みを開始します。
 次のこくちーずサイトでお申し込みください。
 http://www.kokuchpro.com/event/nenjitaikai2016/
時間、会場の詳細、および全体プログラムも、こくちーずに掲載されています。
多くみなさんのご参加おまちしております。

2016年2月8日月曜日

ランドセルを探しています。

4月から新小学1年生で、学年途中で帰国する予定の女の子がいます。「みんなと同じように、ランドセルを持たせてあげたいけれど、1学期だけのために購入するのは・・・」とおうちの方から相談を受けました。もし使わなくなったランドセルを貸していただける方がいらっしゃったら、ご連絡お願いいたします。

mkidsiroha@gmail.com 立山まで

⇒Webにアップした翌日に、「娘のものでよければ、使ってください」とのご連絡が!!ありがたいです。ありがとうございます!!9月帰国予定の女の子なので、夏休みに入りましたら、お返しいたしますね。

2016年2月3日水曜日

多文化共生フォーラム

 

APUで多文化共生フォーラムが開催されます。子どもたちの日本語支援に色々力を貸してくださっている別府市文化国際課さんの企画です。

別府が、多文化共生という視点から、どう語られるのでしょうか、金田一先生の「日本語」視点での多文化共生のお話も是非お聞きしたいです。濃い内容になるのではと期待。参加費無料、申し込み不要、バレンタインデーのスペシャルプレゼントですね。

多文化教員

教育新聞:全教員に日本語指導力が必要 外国人児童生徒を支援
 https://www.kyobun.co.jp/news/20160201_03/


このニュースに関連して、ここ3年ほど、学校内での日本語指導に携わっていて思うこと。

日本語ゼロで来た子どもたちへの初期指導は、確かに日本語教師がカリキュラムを練って担当することが効率的で効果的かと思います。しかし、できるだけ早い段階で、教科につながる日本語支援に移行しなければ、一日の大半を過ごす教室での学習にどんどん置いていかれて、子どもの自尊心が落ちていくのを見ていて感じます。しかし、日本語教師は学校教科指導の専門ではないので、初期以降に学習が進んだ時点での支援の担い手に困る場合が多いです。そうなると、学校教員側も、日本語教育の知識を身に付けるようになることが求められてくるのではないでしょうか。

こうした課題を理解し、教育現場で多面的な指導を実践したり、ネットワークを活用しながら教育にあたることができる教員を「多文化教員」という呼び方をすることを最近知りました。今後、教員を目指す人たちの多くが「多文化教員」になるような教育課程が1日も早くできることを望んでいます。また、現場の先生たちが「多文化教員」として活躍できるよう理解と研修が充実していくことも望んでいます。