2018年3月24日土曜日

今年度最後のわくわく

わくわくが誕生してもうすぐ1年。今年度最後のわくわく、個人的な感想としては最高に成長したなぁと...

メインの活動は子どもたちが主体で企画して、大人はサポート役。そして、大きい子は宿題を持ってきていて、大学生がマンツーマンでサポート。日本語ゼロで参加した親子は、別メニューで日本語の勉強。 

日本語パートナーズのプログラムで8か月インドネシアにいたCちゃんも遊びに来てくれ、春から小学校の先生になる大分大のMちゃんは、卒論という最高の贈り物を持ってきてくれました。卒論には地球っ子わくわく広場でのフィールド調査のことも通して、日本語を母語としない子どもたちの「困り」に注目した観察、考察、これからの活動に活かしていきたいです!!

1年前を振り返ってみると、わくわくも、参加してくれているみんなみんなも、本当に成長したなぁとしみじみ・・・少しでも「居場所」としてのわくわくが根付いてくれたのかな。これからも皆さんとアイディアを寄せ合いながら、よりよいわくわくに育っていってくれたらと思います。

4月はお花見。7日11時~別府公園で会いましょう!

新年度のわくわくは、5月12日スタート。毎月第2土曜はお勉強を取り入れることにしました。第4土曜はこれまでのように多文化理解教室的なアクティビティーにしたいと思います。よろしくお願いします!



就学前日本語教室

別府には新年度から日本語ゼロで小学校に転入する子たちが3名います。その子たちを対象に4回、就学前日本語教室を開くことになりました。親子で参加してもらうので、子どもたちも安心した表情です。初回は、登校する小学校探検。学校と市教委の方に協力してもらい、一緒にスタンプラリーしながら、学校の中を歩き、日本の小学校のこと、学校での文化や習慣の違いを親御さんに訳してもらいながら、説明。どんな科目があって、何が必要なのか、給食のこと、掃除のこと、上靴のこと、置き傘、トイレ事情などなど・・・母国とは異なることのオンパレード。親御さんを介して母語で説明してくれるので、こどもたちもどんどん質問。

なにも知らないまま言葉も習慣も異なる国で学校生活をスタートさせるよりずっと、こんな風に「予習」できたら、こどもたちは安心できるんじゃないかと思いました。

日本語教室も、親子で参加してもらい、学校ですぐ使えると友だちになれそうなフレーズ、挨拶、日本語にはひらがな、カタカナ、漢字があること、その違いや役割などを親御さんの母語を介して一緒に勉強。時にはことば遊びを親子で対決してもらったり(笑)子どもたち、とてもリラックスしていい顔でした。

日本語のほんの入り口ですが、来日したばかりのこどもたちに完全直接法で教えるより、こうして母語を介して説明できるのは、とても効率がよいなと感じています。

今回、「就学前日本語教室」と名付けてやってみましたが、もう少し呼びやすくてなじみやすい名称に変えたい(笑)今後は、大学生にも力を貸してもらいながら、決まった時期に開催できるようにと思います!

2018年3月7日水曜日

巣立ち

小4の終わりに来日したEちゃん。小5、小6と2年間、週1回ですが日本語の勉強を一緒にがんばってきました。初級のテキストを2冊終え、漢字を440字終え、日本語支援も一区切りで終わることになりました。初めて会った時は日本語ゼロだった彼女と、こんな風に日本語でいろんなおしゃべりができるようになる日がくるなんて、思えば夢のようです。取り出しは週1回ですが、困ったことがあれば、電話をくれ、「先生、あんな・・・」と流暢な別府弁で、色々質問できるくらいになりました。

最後の取り出しでは、卒業式の個人コールを一緒に考えました。個人コールというのは、卒業証書を受け取る際にする短いスピーチだそうです。

「日本に来たときは、全然日本語ができなくて、とても大変でした。でも、友だちのお陰で、乗り越えることができました。ありがとう。中学に行ってもよろしくお願いします。」

Eちゃんは「先生にもたくさん教えてもらったと言いたい」と言ってくれました。Eちゃんのその気持ちはいつも十分受け取ってるよ。

中学に行っても、まだ教科を理解するための日本語支援は必要だとは思うけれど、Eちゃんにはそれを乗り越えるだけの土台と、友人関係ができたね。誇りに思います!心から・・・卒業おめでとう。

大きくなったら

今日はUくん今年度最後の日本語教室。いつもの日本語の教科書はせずに、合同新聞の子ども版GODOジュニアの中の、「大きくなったら」の記事を読みました。同じ世代の子たちの将来の夢ランキングをクイズ形式で当て終わり、「15歳のぼくは~をしています」「20歳のぼくは~をしています」「30歳のぼくは~をしています」というテンプレートを埋めていくことに。

15歳のUくんは、「バスケットボールをしています。」
そこから、全く進みませんでした。
高校、大学にも行かないと言います。おばさんのお店でお皿を洗うと言います。

中国だったら?というと、大学に行くよ!と顔が明るくなりました。日本だったらどうして高校や大学に行かないのか尋ねると、日本語ができないから、と。
ショックでした。いつもにこにこ笑顔のUくんですが、小5にして、もう、先のことを「日本語の壁」で閉ざしているということが、とてもショックでした。

GODOジュニアの記事にはいろんな職業が出てきましたが、どれもUくんは違うと言います。そして、

「30歳のぼくは、大きな家をお母さんにあげる。」と書きました。

中国語のできない私には、Uくんと細かい話はできません。少し先を生きている外国からのお兄さんお姉さんたちと、Uくんが色々語り合える機会をつくりたいと思います。もっと、Uくんの中の「大きくなったら」を広げたいと思います。




2018年3月5日月曜日

柔軟な支援体制

先月から大分大学のRさんがボランティアで毎回サポートに入ってくださり、とても助かっています。将来は教員を目指しておられるということですが、それにしても、春休みをフルにボランティアに充てられていて、頭が下がります!大学生ということで、こどもたちと年が近いというのもあるのか、とても慕われています。この小学校では、私たち外部からの支援や、Rさんのような大学生ボランティアを快く受け入れてくれ、担任の先生や校長先生は日本語教室にも気軽に様子を聞きに立ち寄ってくれます。こんな風に柔軟にいろいろな力を合わせて支援体制が組める学校、素敵だなと思います!

2018年3月2日金曜日

新年度の体制

新年度の体制について、考えています。別府市では今年度から日本語指導員派遣が正式にスタートしました。それは大きな前進だと思うのですが、予算の関係もあり、まだとても十分な体制ではありません。私たちいろはの活動のような地域のボランティアとの連携体制をうまく作っていくことが大切ではと思っています。昨年度までは、公的支援がないからやる、という状態だったものから、公的支援では足りない部分を補完できるようなボランティアの仕組み作りへ。いろはが受けている大分県の助成金は最大3年間。新年度は3年目になるので、新年度中にできる限りいい形の体制をと焦りもします。

学校外の活動として誕生した地球っ子わくわく広場も1年を終え、振り返っています。本当に試行錯誤、手探りの1年が過ぎました。評価できるところはさらによりよく、そして、足りない部分は追加していきたい。明らかに足りないのは「子どもに特化した日本語教室」という部分。なので、新年度こそは「多文化理解教室」と「日本語教室」の両輪を実現できるようにと思います。

行政との連携、別府インターナショナルプラザさんとの連携、大学との連携、大学生との連携・・・All別府で、多文化共生を教育の視点でみんなで考えながら走れたらいいなと思います。