2019年5月29日水曜日

無力感

高校3年生になったLくん、進学したいと言っていますが、両親は経済的な理由から就職してほしいと言っているそうです。とりあえず、会って話を聞いてみようと思い、留学生に通訳を手伝ってもらいながら話をしました。本人としては、進学したいが十分な日本語力が身についてないことからくる不安、就職するといっても自分がやりたいゲーム関連の仕事に就けるのかわからない不安を抱えているようで。日本語が伸びないことはわかっていても自宅で勉強せずゲームばかりしてしまうことも自覚しているけど変えられないようで。もう、どうしたらいいのか考えることから逃げているようにも見えました。

いろいろ話をしながら、本人の気持ち、家族の気持ち、進学の選択肢やそこに必要なもの、金額、奨学金、教育ローンなどを書き出して目で見えるようにして・・・

強調したのは、なによりもまず、Lくんの自分の気持ちと向き合ってほしいこと。このまま考えず、黙ったまま、相談せずににいたら、進学も就職も置き去りにされてしまうこと。「進学したい」とつぶやいたLくん、今日話したメモを持って、担任の先生に相談してみるところからじゃないかなと伝えました。

それから1週間。Lくんはまだ担任の先生に声を掛けられずにいるようです。

「明日こそ、話してみようよ!」私は、Lくんに陰ながらつぶやくことしか。おせっかいを焼いて担任の先生に電話したほうがいいのでしょうか。18歳になったLくん、真剣に進路を開拓していかねばならない岐路にいるという自覚をどうしたら持てるでしょうか。日本語だとか、中国語だとかいう前に、自分と向き合うことからだよ・・・と言うだけでは人はすぐに変われるものではないと・・・

目の前に立ちすくんでいる子がいるのがわかるのに・・・無力感を感じるばかりです。

2019年5月19日日曜日

『中学生のにほんご』

『中学生のにほんご 学校生活編』6月5日発売予定だそうです!
これまで、中学生向けの総合日本語テキストというと、『みえこさんの日本語』を無料ダウンロードするか、『こどものにほんご』(小学生向け)、『みんなの日本語』(成人向け)、『げんき』(留学生向け)を語彙や場面を工夫して使ったり・・・中学生にターゲットを絞ったテキストがあったらいいなと思っていた人は多いのではないかと。
予約注文しちゃいました。副教材や訳本も期待されます!


地球っ子わくわく広場予定

5月25日は久しぶりのイベントわくわくです!

わくわくのシンボルでもあるダンボールハウスが3年目でそろそろ引退・・・新しいダンボールハウスをみんなで作りましょう♪
こどもの日にちなんで、こいのぼりを作ったり、ゲームもしたり、楽しい時間になればと思います。遊びに来てね!

授業の内容がわかりたい

1月にベトナムから来日した小6のHくん、大学院に留学中のお母さんの同伴家族です。あと1年半後にはまたベトナムに戻ります。日本に来て、生活言語は少しずつ身につき、お友達とのコミュニケーションができるようになってきています。

家庭訪問でのこと。お母さんからお願いがありました。Hくんは算数が好きで、なんとか授業についていっている。でも理科や社会の授業の内容がほとんどわかっていないようなので、今習っている章や少し先に習う章のキーワードだけでも教えてもらえたら、内容をインターネットで調べて予習させられるかもしれないとのこと。

Hくんは、ベトナムでバイリンガルスクールに通っていたので英語がかなりわかり、英語が大好き。そこで、3冊の本を買うことに。

『英語対訳で読む日本の歴史』じっぴコンパクト
『英語対訳で読む理科入門』じっぴコンパクト
『英語対訳で読む算数・数学入門』じっぴコンパクト

どれも、中学生レベルの比較的平易な英語で、小・中学校で習う基礎知識を説明した本。
英語を身につけたい日本人向けに作られた本かもしれませんが、Hくんのニーズにも応えてくれる本でもあります。ペーパーバックでどれも1000円以下というのも嬉しいところ。(できれば学校図書室においてほしいなぁ!)

日本史の本をHくんに渡すと、なんと一晩で読んでしまったそうです!英語で書かれているので、直接、社会の日本語用語がわかるようになるわけではありませんが、少なくとも、学習する内容を知った上で授業を受けるのと、そうでないのとでは気持ちが全然違うと思います。ベトナムで高校進学することになるHくん、日本語だけでなく英語で学習用語が理解できることはプラスだと思います。そして、学びたい気持ちの強いHくん、日本語でも授業が楽しめるようサポートしていきたいと思います。


2019年5月5日日曜日

多文化こども交流合宿

今年も大分県人権教育ワークショップ研修会主催の多文化こども交流合宿に行ってきました。別府からは6名の子たちが参加しました。今年で5年目になるこの合宿でしたが、初めて「表彰式」があったのが心に残りました。3名の「センパイ」たちが、これまでの歩みと「コウハイ」へのピアサポートのがんばりを称えて表彰されていました。照れ笑いをする高校3年生のふたりでしたが、今後の進路についてとても悩んでいるようでした。

お寺をお借りしての合宿で、なにか特別華やかな活動があるというものではないですが、「仲間」がいる、それがなによりのきれいな華でした。そしてみんなで歩いて温泉に行くところはおんせん県おおいたならではですね♨ 私は去年好評だったキーマカレーが嬉しくて、はりきってたくさん作りすぎてしまい・・・もしかして翌日もカレーだったのかなぁ!?

合宿でたくさん充電して、連休明けも元気でそれぞれの生活ができますように。

2019年5月4日土曜日

本、ください!

地球っ子わくわく広場に新しく本棚がやってきました!外国からの子どもたちとのわくわく勉強会で使えそうな教材や本をいつも亀のように背負って運んでいたのですが、本棚を置いてもらえることになり、これからはここにお役立ち本や絵本が並ぶといいなと思います。

絵本(日本語だけでなく、いろいろな国のもの)
小・中学校の教科書や資料集
日本語支援に役立ちそうなテキスト類

おうちに眠っているものがあれば、わくわく本棚へご寄付お願いいたします♡

2019年5月2日木曜日

2019年特別措置知全国調査結果

今年度も、「外国人生徒・中国帰国生徒等の高校入試を応援する有志の会」による作別措置全国調査の結果が公開されました。

https://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/shingaku/kokonyushi/other/2018/190423houkokushoA2.pdf

大分県は昨年と変わりませんが、こうした全国との比較があることで、大分県の立ち位置について客観的データを元に話し合いができることはとても大きいです。実際、昨年度の高校進学を控えたこどもたちに関わる学校、おうちの方との話し合いでも特別措置のお願いを考慮するのに大変ありがたかったです。

それでも昨年は思うように進学できなかった子たちを目の当たりにしました。

大分県での入試に関する制度改革、こうした全国調査や国の動向も後押しして、少しでも早く改善されることを願っています。

多文化共生体験プログラム

これまで地球っ子わくわく広場で、子どもたちとの居場所つくりを試みてくれているAPUの先生たち、学生さんたちのよるプログラムをご紹介いたします♪ ご興味のある方はajimucamp@gmail.comまでご連絡どうぞ!



プログラム詳細
「多文化共生」-今日ほど多文化共生に対する認識が高まっている時代はないと思います。異なるものが融合することで新しい発想が生まれ,未来創造に向かう希望ある転機を迎えていると私たちは感じています。違いを受け容れ,違いを愛することのできるたくましい子どもたち。1泊2日のキャンプで世界の広さを体感し,世界の現実を知り,野外散策・バーベキューなどの協働体験を通じて子どもたちの共感力と友情を育んで行きたいと思います。

開催日 : 2019年8月3日(土)~4日(日)
場所 : 家族旅行村 安心院 大分県宇佐市安心院町下毛町 1046
対象 : 小学生3年生〜6年生
参加費 : 13,800円

申込方法:
参加希望を5月31日までにメール(ajimucamp@gmail.com)にてお知らせください。メールには「サ マーキャンプ申し込み」と件名に記載し,以下の情報をお送りください。
1 . 申込者氏名 (保護者の方のお名前。今後連絡が可能な方の記載をお願いします。)
2. 参加者氏名・性別・学年・年齢・国籍
3. 住所・電話番号(後にキャンプに関する詳細をお送りするために必要です)
4. その他の留意事項(健康状態,参加にあたって当方に気を付けて欲しいことなど)

参加決定した方には,6月1日に参加決定通知とキャンプの詳細や本申込の方法など同封した書面を送付いたします(※参加決定は基本的に参加希望メールの先着順で行います。宿泊場所の関係上,人数 が多い場合は参加できない場合があります。あらかじめご了承ください)

Awareness of “multiculturalism” has been on the rise. We believe that by integrating our differences we can produce new ideas, which will eventually mark a hopeful turning point for the future. Empathy and patience are required to understand and respect each other, allowing us to combine our abilities and personalities to create a new reality. During the 2-day-1-night camp, participants will experience how wide the world is, see the real world, and develop empathy and friendship through collaborative activities such as outdoor walks and BBQ. It is our wish to nurture children who can understand and love differences through the camp.

Date: August 3rd (Sat) - August 4th (Sun), 2019
Location: Ajimu Family Village 1046 Shimoge Ajimumachi Usa, Oita
Open to: Grade 3 to Grade 6 in elementary school
Fee: ¥13,800

•If you are interested in participating, email us at ajimucamp@gmail.com with the subject line “Summer Camp Registration” by May 31st. Please include the following information:
1. Applicant’s name (A name of guardians whom we can contact)
2. Participant’s name, sex, grade, age, and nationality
3. Address and phone number (Required to send information about the camp)
4. Additional considerations, if any (such as health issues or things we should be careful about)

We will inform you of the results and send you detail information about participation on June 1st (*Due to limited space not all applicants may be able to participate).