2020年7月30日木曜日

文通

『こどものにほんご1』12課で、ひろしくんが遠くに住むおばあちゃんにお手紙で、楽しかった日のことを書いています。Uくんにもお手紙を書いてもらうことにしました。これまで勉強した日本語をたくさん使ってもらおうと思って。「でも、おばあちゃんは日本語わからないよ!」とUくん。そりゃそうだ・・・Uくんがお手紙を書く相手に選んだのは、今年中学校に進学したHくん。ふたりは国も年齢も違うけれど、日本語教室で仲良くしていました。

Hくんへ
げんきですか。
中学校 おもしろいですか。
なんじかんめまでありますか。
学校は大きいですか。
クラスはなんにんですか。
やすみじかんはどのくらいですか。



数日後、Hくんにお手紙を渡しました。お手紙をもらってうれしそうなHくん。すぐにお返事を書き始めました。
Uくんへ

はい、元気です。
中学校はちょっとおもしろいです。美術があります。
6時(亀の絵)← 6じかんめのジョーク
(学校は)大きいです。
(クラスは)30人です。4組あります。
昼休みは20分くらいです。

・・・
小学校はどう?
ともだちはできましたか?
・・・
夏休みのしゅくだいがんばって!
ハッピーですか?


「先生、Meaning of lifeは日本語で何ですか?Uくんに聞いてみたい。」
というHくん。「”人生の意味”、だけど、Uくんには難しいんじゃないかな?」というと、Uくんの母語を調べて、手紙の最後に母語で”人生の意味はなに?”と書き添えていました。

「人生の意味」かぁ・・・Hくんだったらなんて答えるのかな。
私だったらなんと答えるかな…来週の話題にしてみよう。







短歌

中2のKくん、国語で短歌を習っているそうです。日本語教室に入ってくるなり、短歌が37首 並んだプリントを見せて、「僕のがどれか当ててみて!」。内心、う~ん、これじゃないよね?と思いながら、恋心を詠んだ歌を選んだら、大当たり。

部活終え 君が待ってる 帰り道 手つなぎ歩く 桜舞う中

Kくん:「これ、ほんとじゃないよ!」
私:「そっか~、そうなったらいいね?」
Kくん:(照笑)

明るくて、優しいKくん。
Kくんのいいところをたくさん知ってくれる女の子が現れたらいいなぁって、心から思うよ。

苦手な問題に取り組むKくんを見ながら、私も一句。

問題集 頭抱えて 考える 〇〇〇〇〇くん 君ならできるよ

いやぁ・・・Kくんの短歌の足元にも及ばない(笑)


2020年7月22日水曜日

わたしたちの国のことば おしえます!

M小学校には、タジキスタンからのこどもたちが5人います。タジク語やロシア語が話せます。「自分たちの国のことばを、クラスのお友達に教えてみない?」というと、「うんうん!!」

日ごろ、よく使う言葉・・・おはよう、ありがとう、いいよ、来て、一緒に遊ぼうなど、友だちに伝えたい言葉でポスターを作ろうということに。書き終わらなかったのですが、「宿題にして!」そういって、嬉しそうに持ち帰りました。

次の週。立派に完成していました!そのポスターを持って、まずは昼休みに、私も一緒に巡回しました。友だちにミニタジク語講座をして回りました♪ 仲良しのクラスメイトたちも、使ってみる~♪と言ってくれ、それを見て嬉しそうにしているのを見て、嬉しくなりました。嬉しくて、校長先生に自慢しにいきました。すると、校長室にも飾りたいからポスターちょうだい、といってくれました。子どもたちは校長先生にプレゼントする用のポスターを作る気満々です!

ほんの小さな取り組みかもですが、子どもたちにとっては大きな喜びのようです。

2020年7月8日水曜日

漢字、きらい!

「漢字、きらい!」というSちゃん。日本語でのおしゃべりがとても上手になってきましたが、読み書きはまだまだ。特に、漢字のハードルは高いと感じているようです。

今日は、漢字にスポットをあてて過ごしました。漢字の成り立ちクイズや、漢字のビンゴを、へんやつくりをヒントにやりました。「楽しかった!また来週もやりたい!」と笑顔のSちゃん。漢字、たくさんあって大変だけど、コツをつかんでわかるようになってきたら、好きになってくれるかな♪

2020年7月1日水曜日

学校で母語を使う時間

今年も日本語教室に小さな笹を飾っています。去年も一緒に七夕をした子たちは、ずいぶんな気合の入れようです!今年はたっくさんお願い事をするんだって。「来週、短冊を書こうね」と予告すると、なんと10個も、20個も、お母さんや妹たちの分まで、お願い事をノートに書き出してきました!

去年までは、日本語教室ということで、「~ように」を勉強して、日本語で書いてもらっていました。今年は母語で書こうということに。こんなにうれしそうにと伝えたいことを思うままに書きだしてきた子どもたち。
なんて書いてあるの?「えーっとね、家族みんなが元気でね。」とか、「コロナがなくなるように」とか、「これはね、先生には言えないの、ひみつのお願い!とか(笑)」

日本語の勉強にはならないかもしれないけれど、自分たちの母語を思いっきり使う時間を持つことの意義を感じた瞬間でした。







ピアラーニング

「少し先を生きている先輩」といえば。同じ小学校に、来日時期が1年くらい差がある子たちがいます。彼らは母語が同じです。それで、先に来日して日々を過ごしている子に、「きもちをあらわすことばポスター」を作ってもらうことに。日本語と母語を書き込んでもらいました。

まだ日本語で自分の思っている気持ちを伝えることはできない子たちに、このポスターが役立てばいいなと思います。作ってくれた側も、とても嬉しそうでした。

高校生と中学生が繋がったときのように、同じような立場で日々を過ごしている子たち子同士だからこその学びや共感は、大きいなって、すぐそばで見ていて感じました。

高校生と中学生

中2、中3を担当している日本語のM先生。長い休校後、学校を休みがちだと心配しておられました。そして、高校進学の話題になり、同じく小学校の高学年で来日し、今高校に通っているBくんやRちゃんと話せる機会があれば、ということに。

中2、中3、高2、小6の妹ちゃんも同席で、5人の子どもたちと私たち日本語教師ふたりで会いました。2時間くらいがあっという間に経ちました。

受験までのこと、受験の試験や面接でのこと、高校の種類のこと、高校に入ってからのこと、高校卒業後の進路のこと、お互いの国のこと、趣味でやっていること・・・最初は緊張気味でしたが、だんだん打ち解けて、いい雰囲気でいろんなお話ができました。

外部から通う日本語教師が子どもたちと時間を共有できるのは限られた時間だけで、進学のことも、中学校の先生のようにはわかりません。こうやって、外国から来た子たち同士を繋げることは小さなことかもしれませんが、少し先を生きている、進学の壁を越えた子たちの声を直接聞けたことが役に立てばと願います。