2019年3月25日月曜日

外国籍児の就学徹底 編入学年 こだわらず 文科省通知へ

文科省が学齢超過の生徒を含む外国籍児の就学促進を求める通知を出すというニュース、とても嬉しいです!

外国籍児の就学徹底 編入学年 こだわらず(毎日新聞2019.3.18)

・・・外国籍児の日本語能力などを考慮し、本来の学年よりも下の学年に編入する「下学年」での受け入れを再度、強く要請。義務教育年齢を過ぎた「学齢超過」の外国人も各教育委員会の判断により、公立中学などでの受け入れを盛り込む。

https://mainichi.jp/articles/20190317/k00/00m/040/190000c

さまざまな背景を持って来日する子どもたち、その日本語能力や学齢基準によって、本来より下の学年での受け入れや、学齢超過の子を就学させることは、これまでも可能だったはずですが、自治体の考え方に左右され、こぼれ落ちるケースに出会ってきました。今回の通知が、そうした不幸なケースを食い止めるものになることを願います。

日本のどこの町に住むかで、就学できるできないが変わってくるような状況が1日も早くなくなるよう。

16歳で両親の仕事に同伴家族として来日したSちゃん。学齢超過のため、中学校への就学を認められず、高校進学を目指して孤独に耐えながらボランティア教室を繋いで、ゼロから日本語を勉強。春から念願だった高校生です。Sちゃんには間に合わなかったけれど・・・今後こうして来日する子たちがスムーズに就学できる体制ができますように。


2019年3月19日火曜日

日本語教育セミナー@おおいた国際交流プラザ

今年度もおおいた国際交流プラザ主催の日本語教育セミナーが開催されました。今年度は基礎編とスキルアップ編の2部に分かれており、2部に参加したのですが、事前アンケートで参加者はそれぞれの現場で抱える課題を出し、それに対する回答をベースに講座が進んでいきました。今年度の講師は大分県内でおそらく唯一日本語教師養成に注力しておられる別府大学の篠崎先生で、同じ大分県内で奮闘している日本語教育に関わる人たちにとって、とても具体的で有益な情報がぎゅっと詰まった内容でした!!

その中で先生がご紹介された「小さな留学生」というドキュメンタリー映画が心に残りました。9歳の中国からの女の子の2年間が描かれています。ご興味のある方は「小さな留学生」で検索してみてください!

また、教科指導の課題に関する解決策の一つの方法としてご紹介された「カーンアカデミー」かなり多くの言語で、教科を学べるフリーサイト。高学年以上の子なら、実際の授業内容とうまくコーディネートしてあげることさえできれば、学校での日本語での授業内容を理解する手助けになると思います。

大分県では、こうした日本語教師向けの研修の機会がとても限られているので、本当に貴重なセミナーでした。こうした研修の機会がもっと増えたらと思います。

2019年3月10日日曜日

外国にルーツをもつ子どもたちの学習目標例

外国人児童生徒支援リソースルームの中からお役立ちサイトをご紹介します!

http://www.resource-room.aichi-edu.ac.jp/gakusyumokuhyourei.pdf

子どもの日本語レベルによって、目指すべき学習目標がわかりやすく示してあります。
出会う子どもが日本語学習歴ゼロの場合など、やりたいことの多さに気が遠くなってしまいますが、学年の目標から学期の目標、スモールステップでの目標を割り出していけたら、指導員も子どもも、見通しを持ってがんばれるのではと思います。

以下、サイトより

◎外国にルーツをもつ子どもたちの学習目標例(2017年度作成 2017年12月発行)

文部科学省「かすたねっと」ホームページ上の『「個別の指導計画」作成参考資料②学習目標例~初期段階~』を転載し、見やすい形にして作成したものです。

外国人児童生徒の指導に関わる全ての方に使っていただけます。
「話す」「読む」「書く」「聴く」の4技能について、『外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA』(文部科学省)掲載の「JSL評価参照枠」のステージに対応した6段階が設定されています。
対象の児童生徒が、4技能それぞれについて、今何が達成できていて、何が出来ていないかを学習目標項目例から確認することができます。また、達成できている項目を重複学習しないで、先のステージを目指した指導を進めていくことができます。

※こちらの教材は配布を行っていません。ご利用になりたい方はこちらからダウンロードしてください。


もったいなくて


Aちゃんが、こそっと近づいてきて、私のポケットにささっとなにかを入れて・・・?キャンディーでした!きっと、お国から持って来たか、送ってもらったか、大事に食べているお菓子なんだろうと思ったら、大事な宝物をお裾分けしてくれたんだなと思ったら・・・なんだか、ほわ~んとあたたかい気持ちになりました。

すぐにいただくの、もったいないし、しばらく飾ってから食べるね!

ちなみにこれは、ロシアのお土産チョコレート。パッケージの女の子がまたSちゃんにそっくりで・・・可愛すぎて・・・飾るしかありません!(笑)

2019年3月8日金曜日

『まるごと』

国際交流基金が提供している日本語学習のコースブック『まるごと』を使っているよ、と教えてもらいました。
コミュニケーション重視のテキストで、日本に住んでいない学習者でも、ことばや文化をまるごと楽しめる工夫がいっぱいとのこと。成人対象ですが、指導者の工夫次第で中高生用にも使える部分は多そうです。グループ学習向け、でも、独習も可能。日本語能力試験でいうとN5~N3程度、自然な会話をたくさん聞いて、写真やイラストで日本文化のさまざまな側面を感じられるよう作られているようです。
そういえば、私は、海外での日本語教師歴のほうが長いです・・・海外にいる頃は、学習者にとって、日本から来た私自身との触れ合いとか、そういうのも求められてるのかなって感じました。学習者にもよりますが、日本語を学びたいというより、日本をもっと知りたい、そんなニーズもありました。それで、海外では「日本」に触れてもらえる機会を探していました。そんな海外の学習者さんがこのサイトに出会ったら、飛び上がって喜んじゃいそうです。
ご興味ある方、サイトを見てみてください!無料コンテンツも充実していて、楽しそうです!
https://www.marugoto.org/

2019年3月7日木曜日

大分県内のネットワーク作り

昨年末、「大分県で外国につながる子どもたちのために活動している人たちで集まりませんか?」というお声かけをいただきました。

発起人が学校の先生方であることに、まず頭が下がりました。
日々の教員生活だけでも多忙なはずの先生方が、旗揚げしてくださったこと。

これまで出会ってきた外国からの子どもたち、親御さんたちは、困っていても、心配なことがあっても、日本社会ではマイノリティーな存在・・・SOSをあげる声は・・・とても発見されにくい、そんなイメージです。

3月31日に、改めてこうした子どもたちのサポートに関心のある方たちで別府で集まって
「who & what だれに どんな課題があるのだろう」を話し合いませんか。

これからスタートラインに立てたらいいなという、大分県内でできるネットワークのあり方を考えよう、そんな「これから始めよう」の会になると思います。

ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください!

立山愛 mkidsiroha@gmail.com
080-2720-5151

2019年3月2日土曜日

ひなまつりわくわく

今年度最後の地球っ子わくわく広場、多文化活動日。テーマは「ひなまつり」でした。ちょっぴりおめかし企画で、自分たちの国のお洋服があったら着てきてね、と。ステキなトーンチャイムで「たのしいひなまつり♪」をこどもたちと演奏、歌ってくれた湯布院earth harmonyのナムさん&さよちゃん&あんちゃんは、そろって美しいベトナムのお洋服でした!


初めて親子そろって参加してくれたタジキスタンのAちゃん家族は、手縫いのとても綺麗な衣装でした!

ほかにも、いろいろな国の衣装を持ち寄ってくださり、日本の浴衣や、チャイナドレス、フィリピンの服など、自分の国ではない服を楽しんだり。

今回も小学生たちによる楽しいゲームや制作もりだくさん!わくわくもうすぐ2年目、小学生たちもずいぶんたくましくなってきました。これからもいろんな人たちのアイディアを集めて、すてきな居場所に育っていけたらと思います。





2019年3月1日金曜日

県民意見の募集


お知らせです!

大分県が外国人受け入れ・共生のための対応策について、パブリックコメントを募集しています。

「大分県外国人材の受入れ・共生のための対応策」(案)に対する県民意見の募集について

募集期間は314日(木)までです。

外国につながる子たちのことやその他、外国からの方たちのことで身近に感じている課題など、声を届けるよい機会だと思います!

かなり長文になってしまいましたが・・・こんな意見を提出してみました!
大分県が今後、外国人人材が必要で、多文化共生していきたいのなら・・・子どもたちの教育は一見すると直結しないのかもしれませんが、確実に必要不可欠な課題だと思っています。



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・別府市では、国際観光都市として、また、留学生比率の高い自治体として、多文化共生に関するさまざまな取り組みが積極的に行われているが、「観光」や「留学生」に関する支援や取組みが活発である一方、生活者としての外国籍住民、とりわけ「子ども」に関する支援や取り組みは非常に限定的となっている。

2017年度から別府市内の小・中学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒たちを対象に、別府市教委派遣の日本語指導員派遣制度が開始されたものの、日本語指導時間は月に5時間だけという現状である。

・大分県内でも子どもたちの日本語支援については一定の基準はなく、地域間で格差ができている。

・大分県に根付こうとしている外国からの方たちにとって、子どもの教育は重要な事項であろう。実際、インターナショナルスクールがない、言語的サポートが期待できないという理由で大分県を選ばずに他県を選択している事例もあると聞く。

・こうした外国にルーツを持つ子どもたちは将来、大分県が多文化共生していく上で、貴重な存在になるだろう。しかしながら、十分な支援制度がないために、現在大分県内で小・中学校に通う外国にルーツを持つ日本生まれ、日本育ちの子どもたちの中には、母語も日本も言語能力が確立しないダブルリミテッドという両言語に限界のある状態に陥っている子たちも少なくない。

・大分県では、外国にルーツを持つ子どもたちの高校受験での特別配慮や措置等の仕組みが整備されておらず、事例が少なく、特別入学枠もないため、進学の壁を乗り越えられない生徒たちの存在がある。特に両親ともに外国籍の場合、高校進学に関する情報収集は非常に困難であり、また、地元の高校事情を把握することも同様に困難である。言語的なハードルだけが問題ではなく、世界の国々によって異なる基準があるということを教育に携わる立場の人々は、把握、考慮しなければならないのではないだろうか。保護者によっては、共働きで教育に関する意識が高くない場合、なおさら高校進学について生徒は情報弱者となり、進学の選択肢は少なくなる。たとえ保護者が教育に対して意識が高く、比較的情報収集しやすいであろう英語圏の場合であったとしても、日本の高校受験システム、たとえば、推薦を受けるために必要な条件が部活や生徒会活動である場合が多いことや、どの高校がどのような推薦条件を持っているか、またいわゆる内申点と呼ばれる高校入試の合否に影響する制度は都道府県によっても異なる上、その情報について十分に説明される場面がなく、情報弱者となってしまう。結果、生徒の知的能力に見合った高校受験は困難である場合が多く、つまり教育現場が「多文化共生」できていないが故に、正当な評価基準がなされないまま高校進学をしている外国人生徒たちを生み出している現状だと言わざるを得ない。これらは、教育現場の「多文化共生」に対する意識の低さという課題であり、制度改革が急務であると考える。
・こうしたダブルリミテッドや高校進学の課題は、子どもたちが将来日本の社会のシステムの中で下位に位置付けされてしまう一因となり得る。教育上の多文化共生のための対応策を考えていかなければ、外国からの人材受け入れを今後長期的に考えた場合、多くの言語難民ともよばれる子どもたちを抱えることになるかねないのではないだろうか。また、外国からの子どもたちが将来、社会に出るときに大分県を支える人材として根付いてもらうためには、教育の過程にいる内からのサポートが重要なのではないだろうか。