2016年12月26日月曜日

奨学金

来年高校生になるYちゃん、今日は、来年度奨学金を受けるための面接でした。冬休みに入って、面接の練習を一緒にしました。「中学校でがんばってきたこと」「高校生になってしたいこと」「尊敬する人は」などの質問について、まず、Yちゃんの気持ち、言葉を引き出しました。普段、こういうことについてじっくり話す機会がないので、面接の練習という名目の下、Yちゃんの気持ちを聞くことができて、そして、その気持ちがしっかりしたもので、じーんときました。お母さんの前ではツンケンと、立派な反抗期に見えるYちゃん。「尊敬する人は?」の答えは、「母です」と即答でした。「どうして?」と尋ねると、「たった一人で兄と私を育てています。1日にふたつの仕事をしています。」

面接当日も、仕事で見送れなかったYちゃんのお母さんですが、そんなお母さんを少しでも支えたいと、奨学金を受けたいのでしょう。Yちゃんが無事合格することを祈ります。

2016年12月22日木曜日

友だちが必要

この間Rくんの中学校についてきてくれた留学生のBさん。「先生、その後Rくんは元気ですか?」と心配そうに聞いてきました。Bさんは、RくんとFacebookで繋がったようで、応援メッセージを送ってくれているようです。「Rくんには、友だちが必要です。」とBくん。うん、うん・・・そうだね。私は大きくうなづきました。1年前に日本に留学し、がんばってきたBくんの心からのアドバイスでしょう。

そういえば、これまで子どもたちを見てきた中で、部活に熱中する子たちの日本語の伸びのスピードには驚きます。部活には、一緒に汗を流す仲間がいるということが大きいのでしょう。言葉は、コミュニケーションするためのツール。コミュニケーションしたい相手がいてこそ、ぐんぐん伸びていくんだと思います。もうRくんにはBさんという、Rくんのことを心配してくれる「友達」ができたということだね。

海を超えて

海外から、一通のメールが届きました。冬の間、別府に帰省され、その間いろはの活動をお手伝いしてくださるという、嬉しい内容でした。日本でも、海外でも長年、年少者教育に携わってこられた方で、現在は海外で成人対象に日本語を教えておられるとのこと。実際にお会いしたら、子どもへのまなざしのとても暖かい、ホスピタリティに溢れたとてもステキな方でした。海を越えてこんなご縁ができるとは・・・ブログで発信してきてよかったとしみじみ思いました。

冬休みの日本語教室は、その方と、大分の日本語学校の先生も、年末年始の忙しい時期にもかかわらず、快くお引き受けいただきました。

普段は別々の学校でマンツーマンの子どもたちが、冬休みの間顔を合わせて一緒に勉強できるので、お互いによい刺激になればと思います。

2016年12月21日水曜日

りんご♪

「先生、住所教えてください♡」と言われ、てっきり、年賀状でもくれるのかな♪と思っていたら・・・立派なりんごが届きました!!おうちの方からのお礼の気持ちでしょうか。Iちゃんのおうちは共働きで、家族でゆっくり会話する時間はあるのかな・・・と思っていたので、Iちゃんが、日本語教室の話をしてくれているんだなと、りんごたちを見ながら、ほっと嬉しい気持ちになりました。欲を言えば・・・いつも朝食抜きのIちゃん、りんごを食べてきてくれたらと願ってしまいますが(^^;)

Iちゃんに関わる先生方みんなと、りんごを分けたいと思います。ありがとうございます!!

2016年12月11日日曜日

国際理解教育部会

先日、大分市中学校教育研究会の国際理解教育部会研修がありました。外国にルーツを持つこどもたちの支援について勉強会を開きたい、ということで、呼んでいただきました。中学校の現役の先生方23名と、しかも、外国ルーツの子どもたちの支援のあり方について考えたいという内容ということで、気持ちがぐんと膨らみました。膨らみ過ぎて、色々欲張ってしまい、内容過多になってしまいました・・・反省。

忘備録として、研修内容の流れをメモしておきます。

「外国にルーツを持つ子どもたちへのより良い指導・支援のためにできること」

1. はじめに: 外国にルーツを持つ子どもたちとは? 
2. アイスブレイク: 外国から来た親子の気持ち・担任の気持ち体験
3. 講義: 外国にルーツを持つ子どもたちの現状と課題
4. 演習: ワークショップ① 異文化コミュニケーションスキル
       ワークショップ② 日本語をおしえてみよう
5. まとめ: 外国から来た子どもたちが学校生活をいきいきと過ごすために大切なことは? 

こうして研修会でのテーマになるほど、学校現場での課題として取り上げられるようになったということ、それ自体が前進だと感じています。これからどの学校のどのクラスに外国からの子どもたちが来ることになっても、慌てず、よい歯車がまわるよう支援のあり方が話し合われ、発展していけばといいなと思います。
 

2016年12月10日土曜日

期末テスト

今学期の期末テスト、いろはで支援している3名の中学生の期末テストに、「日本語」を入れてもらえました。そのうちのTくんは、みんなが受ける国語のテストも受けたいとのことで、日本語と国語を両方受験。日本語は81点、国語は6点だったよと報告してくれました。その6点のうち、漢字が正解だったことをとても嬉しそうに教えてくれました。英語圏から来日して2学期を過ごしたTくん、小学校の漢字を240字も覚えたのですが、中学での漢字にも平行してチャレンジしています。その中学でクラスメイトと共に学んだ漢字で6点取れたことを喜んでいるのです。

期末の総合評価でも、全生徒中で真ん中程の成績をとったTくん。それは嬉しそうに報告してくれたのですが、得意のはずの数学が思うように取れなかったこと、とても悔しそうでした。文章題の日本語がわからなかったと。数学の文章題の日本語を勉強したいとリクエスト。自分から、学びたいことを考え、リクエストしてきてくれるTくんの成長が楽しみです。

嬉しいニュース

嬉しいニュースが飛び込んできました。MちゃんとYちゃんが、別府青翔高校の中学生英語レシテーションコンテストで1位と3位に入賞しました!ふたりとも、英語圏で育っているので、英語でのスピーチは得意でしょうが、特にYちゃんにとっては、志望校でのコンテストにチャレンジしたこと、評価されたことは、きっとものすごい自信になったのではと思います。人前に立つということ自体、苦手な恥ずかしがり屋のYちゃんが、コンテストに出場したこと、この3年ですごく成長したんだなってしみじみ感じています。高校生になるふたりの姿が浮かんで、とても嬉しい気持ちで胸がいっぱいです。

2016年12月2日金曜日

悩み

来日当初当時、自分の殻に閉じこもっていたIちゃん、中学に進学し、すごく明るくなり、自分を出せるようになってきました。わたしは週に1度、取り出しての日本語の姿しか知らないのですが、最近ずっと、朝食抜き、寝不足のようで、授業中起きているので精一杯ということが多いです。宿題に全く手をつけていないことが続いたので、勉強する気持ちがないのなら、私がここに来てできることはないことを伝えて、帰りました。翌日の土曜日、宿題を持ってきてくれたので、これではいけないという気持ちにはなったようですが、この生活状態、モチベーションの低さ・・・担任の先生にもご相談しましたが、保護者の方とも話し合う必要があるのではと思います。外国からの子どもたちに限った悩みではないのでしょうが、学習以前の問題が横たわっているのはとてもしんどいです。

留学生と

普段はマンツーマンの日本語の取り出し授業をしている中3のRくんですが、今日は、中国からの留学生2人を連れていきました。「なにか、質問していいですよ。中国語でいいですよ。」とRくんにいうと、普段は寡黙なRくん、20分ほど、質問が止まりませんでした。後で、何の話をしていたか留学生に尋ねると、大学のこと、日本語の勉強の仕方、大学を選んだ理由、将来の職業、彼女はいるのか・・・など、気になることを率直にたくさん質問していたようです。最後には、連絡先を尋ねていました。Rくんは16歳、留学生は19歳と23歳。少し先を生きているお兄さんたちとの出会い、色々考えるきっかけになったならいいです。日本語を教えるだけの私には、Rくんの悩みや考えを聴き取ることはなかなかできないし、こうして母語を通じて話せる機会は大切なんだなとRくんの嬉しそうな横顔を見ながら思いました。

春に中学を卒業すれば、これから、益々いろいろなことを乗り越えていかなければいけないでしょう。色々な選択肢が増える分、色々なことが自分次第になってくるでしょう。様々な出会いを通して、楽な道へと流れることなく、しっかりと自分で考えて進んでいってほしいなと願います。