2023年10月22日日曜日

高校進学の壁

 中3で日本語ゼロで、親御さんの留学に同伴して来日したAちゃん。1学年学齢を下げての転入でした。「すべての授業が日本語で行われることを日本に来てから知ったの」と言っていました。転入してからの一番の懸念事項は高校進学でした。自分の将来の希望にあった高校に進学するには、日本語で教科学習の内容がある程度分かる日本語の力がどうしても求められます。ひらがなを覚えるところから・・・必死で準備をして、大分県で外国人生徒の入学枠のある県立高校に無事に進学できたAちゃん。高校生活がスタートし、一安心していました。夏休み前になって、他県に引っ越すことになったと聞いたときには、頭が真っ白になりました・・・土地勘も知人もない場所で、新たに高校進学先を見つけなければならなくなりました。高校の先生方も県教委も探してくれましたが、公立高校での受け入れ先は見つからず、授業料は高額だけれど英語重視の私立のインターナショナルスクール1校が頼みの綱となりました。英語が母語といってもいいAちゃん、インターナショナルスクールならば進学できる可能性が高いと思っていたのですが・・・「日本語の力が充分ではない」という理由で入学することは叶いませんでした。Aちゃんは定時制の高校に進学するために準備をしています。既に、2か月もブランクが空いています・・・

将来大学に進学したいAちゃん。もし自分の国にいたならば、高校2年生で、自分の知的欲求に合った高校に進学していたことでしょう。日本に来たことによって、学年が1つ下がり、高校の選択肢はない現状、定時制の高校では卒業まで4年かかるケースが多いそうで・・・

高校進学の壁、Aちゃんの努力や思いだけではどうにもならない制度の壁

「先生、私、将来をあきらめたくない」とAちゃん

早急に改善されること、Aちゃんが自己実現できる道が拓かれることを願わずにはいられません。