2019年3月1日金曜日

県民意見の募集


お知らせです!

大分県が外国人受け入れ・共生のための対応策について、パブリックコメントを募集しています。

「大分県外国人材の受入れ・共生のための対応策」(案)に対する県民意見の募集について

募集期間は314日(木)までです。

外国につながる子たちのことやその他、外国からの方たちのことで身近に感じている課題など、声を届けるよい機会だと思います!

かなり長文になってしまいましたが・・・こんな意見を提出してみました!
大分県が今後、外国人人材が必要で、多文化共生していきたいのなら・・・子どもたちの教育は一見すると直結しないのかもしれませんが、確実に必要不可欠な課題だと思っています。



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・別府市では、国際観光都市として、また、留学生比率の高い自治体として、多文化共生に関するさまざまな取り組みが積極的に行われているが、「観光」や「留学生」に関する支援や取組みが活発である一方、生活者としての外国籍住民、とりわけ「子ども」に関する支援や取り組みは非常に限定的となっている。

2017年度から別府市内の小・中学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒たちを対象に、別府市教委派遣の日本語指導員派遣制度が開始されたものの、日本語指導時間は月に5時間だけという現状である。

・大分県内でも子どもたちの日本語支援については一定の基準はなく、地域間で格差ができている。

・大分県に根付こうとしている外国からの方たちにとって、子どもの教育は重要な事項であろう。実際、インターナショナルスクールがない、言語的サポートが期待できないという理由で大分県を選ばずに他県を選択している事例もあると聞く。

・こうした外国にルーツを持つ子どもたちは将来、大分県が多文化共生していく上で、貴重な存在になるだろう。しかしながら、十分な支援制度がないために、現在大分県内で小・中学校に通う外国にルーツを持つ日本生まれ、日本育ちの子どもたちの中には、母語も日本も言語能力が確立しないダブルリミテッドという両言語に限界のある状態に陥っている子たちも少なくない。

・大分県では、外国にルーツを持つ子どもたちの高校受験での特別配慮や措置等の仕組みが整備されておらず、事例が少なく、特別入学枠もないため、進学の壁を乗り越えられない生徒たちの存在がある。特に両親ともに外国籍の場合、高校進学に関する情報収集は非常に困難であり、また、地元の高校事情を把握することも同様に困難である。言語的なハードルだけが問題ではなく、世界の国々によって異なる基準があるということを教育に携わる立場の人々は、把握、考慮しなければならないのではないだろうか。保護者によっては、共働きで教育に関する意識が高くない場合、なおさら高校進学について生徒は情報弱者となり、進学の選択肢は少なくなる。たとえ保護者が教育に対して意識が高く、比較的情報収集しやすいであろう英語圏の場合であったとしても、日本の高校受験システム、たとえば、推薦を受けるために必要な条件が部活や生徒会活動である場合が多いことや、どの高校がどのような推薦条件を持っているか、またいわゆる内申点と呼ばれる高校入試の合否に影響する制度は都道府県によっても異なる上、その情報について十分に説明される場面がなく、情報弱者となってしまう。結果、生徒の知的能力に見合った高校受験は困難である場合が多く、つまり教育現場が「多文化共生」できていないが故に、正当な評価基準がなされないまま高校進学をしている外国人生徒たちを生み出している現状だと言わざるを得ない。これらは、教育現場の「多文化共生」に対する意識の低さという課題であり、制度改革が急務であると考える。
・こうしたダブルリミテッドや高校進学の課題は、子どもたちが将来日本の社会のシステムの中で下位に位置付けされてしまう一因となり得る。教育上の多文化共生のための対応策を考えていかなければ、外国からの人材受け入れを今後長期的に考えた場合、多くの言語難民ともよばれる子どもたちを抱えることになるかねないのではないだろうか。また、外国からの子どもたちが将来、社会に出るときに大分県を支える人材として根付いてもらうためには、教育の過程にいる内からのサポートが重要なのではないだろうか。