6月30日「外国につながる子どものためのネットワーク大分」に30名程のさまざまな立場の方々・・・小・中・高等学校教員、日本語ボランティアの方たち、日本語教師、NPO、行政関係等々・・・本当にさまざまな立場で子どもたちに想いを寄せる人たちが県内各地から集まりました。
3月末の準備会で出し合った、それぞれの立場から見える課題やその取り組み、これからの展望・・・それらを文字化したものを、ネットワーク会の理念に盛り込み、参加者でひとつひとつ読みながら、これからどんな風につながっていき、どこに向かっていくのがいいのかを考える会になりました。
心に残ったのは、この会の名前である「外国につながる子どもたち・・・」の「外国」に違和感のある人?という問いにとても多くの手が挙がったことでした。内と外を分けているようだ、という見解が多く、特に、国際結婚されている方たちのことばに心揺さぶられました。自分の子どもの名前を外来語としてカタカナで表記されたこと、自分の子どもが「外国人なん?」と聞かれること。線引きをイメージするような言葉を会の名前に入れることに抵抗があるという気持ち。
予定以上に話し合いに時間をかけ、グループ毎にいろいろな意見があがり、結局、会の名前が決定しないまま、会が発足するという・・・(笑)それくらい、今の日本が多文化共生社会を共創しようとしていることの表れなんじゃないかなって思いました。
こちらからお声かけしたわけではなかったですが、新聞社の方たちが3社もお越しくださっていたこと。これもまた、こうした会が生まれていくこと自体が時代の過渡期なんだろうなと思いました。できるだけ近い未来に、このような会がもう必要ないと言えるくらい、多様な子どもたちの存在があたりまえで、豊かであるとあたりまえに言える日が来るまで、今できることをひとつひとつやっていくしかないと改めて思った1日でした。
2019年6月30日日曜日
2019年6月29日土曜日
13年もいたのに
今日は地球っ子わくわく広場の勉強会でした。今年度になってから休まず参加してくれる小学2年生のSくん。お母さんとお話しする中で、
「春までにはもう国に帰ろうと思って」
別府の大学に留学して、同じ中国からの留学生同士で結婚、出産。今年で別府に住み始めて13年だそうです。
「どうして帰ることにしたんですか。」
法改正のため永住権取得のハードルがあがったこと。そして、Sくんがどんどん中国語が話せなくなってきていること。街中でお母さんが中国語で話しかけると、「しー!」と恥ずかしがるようになったこと。中国語で話しかけても日本語で返してくるようになったこと。いろいろ気持ちを聞かせてくれました。
自我が芽生えてきたSくん、「周りと違う」ことが「恥ずかしい」と思うのかもしれません。
「もう今更帰国してもいい仕事探すの難しいかもしれないけど・・・。このままSが中国人じゃなくなるのはつらいから」
私はとても衝撃でした。
別府を好きになって根付いた留学生夫婦が一生懸命生活していて、大事に育てている子どもは、自分のルーツやアイデンティティを出せない環境であるということ。母語を守れない環境であること。いかに、この町が、学校が、社会が、多文化共生できていないのかということを、突き付けられたような気持ちになりました。
Sくんはこれから中国に帰って、読み書きする力をゼロから身に付けることになるでしょう。「日本にもどりたい」そんな風にも思うのかもしれませんが、Sくんの年齢では親の決断に身をゆだねるしかないでしょう。
わくわくでいつも笑顔で勉強し、おにごっこが大好きなSくん。制度の壁、文化の壁を乗り越えられる術は本当にないのでしょうか。
「春までにはもう国に帰ろうと思って」
別府の大学に留学して、同じ中国からの留学生同士で結婚、出産。今年で別府に住み始めて13年だそうです。
「どうして帰ることにしたんですか。」
法改正のため永住権取得のハードルがあがったこと。そして、Sくんがどんどん中国語が話せなくなってきていること。街中でお母さんが中国語で話しかけると、「しー!」と恥ずかしがるようになったこと。中国語で話しかけても日本語で返してくるようになったこと。いろいろ気持ちを聞かせてくれました。
自我が芽生えてきたSくん、「周りと違う」ことが「恥ずかしい」と思うのかもしれません。
「もう今更帰国してもいい仕事探すの難しいかもしれないけど・・・。このままSが中国人じゃなくなるのはつらいから」
私はとても衝撃でした。
別府を好きになって根付いた留学生夫婦が一生懸命生活していて、大事に育てている子どもは、自分のルーツやアイデンティティを出せない環境であるということ。母語を守れない環境であること。いかに、この町が、学校が、社会が、多文化共生できていないのかということを、突き付けられたような気持ちになりました。
Sくんはこれから中国に帰って、読み書きする力をゼロから身に付けることになるでしょう。「日本にもどりたい」そんな風にも思うのかもしれませんが、Sくんの年齢では親の決断に身をゆだねるしかないでしょう。
わくわくでいつも笑顔で勉強し、おにごっこが大好きなSくん。制度の壁、文化の壁を乗り越えられる術は本当にないのでしょうか。
2019年6月17日月曜日
外国につながる子どものためのネットワーク大分
「外国につながる子どものためのネットワーク大分」発足会のお知らせ
[日時]2019年6月30日(日)13:30~15:30 (13:00受付開始)
[場所]別府インターナショナルプラザ
[場所]別府インターナショナルプラザ
大分県内で外国につながる子たちの思う人たちが「つながる」場をつくろうという会です。外国につながる子たちに関わる多様な関係者の連携や情報共有、相互交流ができればと思います。当日は13時から開場しております。早めに来られて参加者の皆さま同士のフリートークの時間にしていただけたら嬉しいです。お気軽にご参加ください(^^)
出欠連絡・・・下記フォームに沿ってご返信ください。(6月23日まで)
送信先 kodomonet.oita@gmail.com
………………………………………………
名前:
所属:
ネットワーク大分発足会(2019年6月30日開催)に出席する/欠席する
………………………………………………
※ 出席ご予定の方は、外国につながる子どもたちや多文化共生に関連あるニュースや新聞、記事や文章の切り抜き等をコピー、プリントアウトしてご持参ください。ワークショップで使用したいと思います。
2019年6月12日水曜日
2019年6月9日日曜日
わざと下手に
小学5年生でオーストラリアから来日したNちゃん。希望の高校に進学しました。彼女はグローバルコミュニケーション科のある高校を選びました。11歳まで英語圏で育った彼女にとって英語は母語であり、それを活かしての選択だったのだろうと想像しています。先日、同じクラスの子と会う機会があり、「Nちゃん、元気にしてるかな?」と尋ねてみました。「うん。でもね、この間英語のプレゼンテーションでね、英語の発音が日本人みたいなの。わざと下手に発音してるんじゃないかな」それをきいて、胸がぎゅうっとなりました。ある意味、日本の学校文化というか、なんというか、それらを無意識的にでも感じ取り、彼女なりに協調したいとか、サバイバルしていこうという方略なのかもしれません。それが「わざと英語を下手に発音する」ことなのかと。Nちゃんが伸び伸びと自分らしさを発揮できる学校生活になるよう・・・何ができるでしょうか。変わらなければいけないのはNちゃんではなく、そうさせてしまう日本の風潮だと思うのです・・・。Nちゃんに会いたいです。
勉強したくない
春に来日したYくん。3回目の取り出し授業でした。Yくんはアメリカで育ちましたが、お母さんが日本人で定期的に日本で過ごしていたようで、日本語でのおしゃべりはかなり上手です。ただ、漢字は小3レベルで止まっていて、日本語の読み書きは難しく、中学校での授業についていくためには、どうしても学習を支える日本語の基礎が必要です。
日本語のレベルチエックの結果も理解し、日本語の勉強をしなければこれからの学校生活で困っていくことを頭でわかっているYくん。でも、「あ~~勉強したくない」。「俺、アメリカの高校に行きたいし・・・」「先生、話しよう。オセロしながら。チェスでもいいけど。」
なかば強引に日本語の教材をやりましたが、「勉強いやだ~」に私も根負け。オセロをしながら、アメリカでのことをいろいろ話してくれました。どうやったら今必要なことについて納得して進めるのか。とにかくYくんの気持ちに向き合っていくしかないでしょうか。もう少しじっくり話ができたら。週末、どこか一緒にお出かけでもできたらいいな。日本語を教えること以外の部分が多いんじゃないのかと思うこの頃です。
日本語のレベルチエックの結果も理解し、日本語の勉強をしなければこれからの学校生活で困っていくことを頭でわかっているYくん。でも、「あ~~勉強したくない」。「俺、アメリカの高校に行きたいし・・・」「先生、話しよう。オセロしながら。チェスでもいいけど。」
なかば強引に日本語の教材をやりましたが、「勉強いやだ~」に私も根負け。オセロをしながら、アメリカでのことをいろいろ話してくれました。どうやったら今必要なことについて納得して進めるのか。とにかくYくんの気持ちに向き合っていくしかないでしょうか。もう少しじっくり話ができたら。週末、どこか一緒にお出かけでもできたらいいな。日本語を教えること以外の部分が多いんじゃないのかと思うこの頃です。
止まらない!
毎週1回の日本語教室。来日8か月のAちゃん、一気に生活言語が伸び、少ない語彙ながら自分の気持ちをよく話してくれるようになりました。「先生、先生、あのね・・・」一度話始めると止まらないAちゃん(笑)これまでもAちゃんのように顔を見ると「あのね、あのね・・・」が止まらない子たちに出会ってきました。Aちゃん、進級してクラスが変わり、心許せるお友達ができないようです。気持ちをたくさん話せるお友達ができるまで、私でよければ話を聴くよ。
授業の終わりに先週教えたハートの折り紙でお手紙をくれました。そこには、「やさしくしてくれてありがとう」教えたばかりの「~してくれて」を使ってくれていました。「いつもたくさんお話きかせてくれてありがとう」
授業の終わりに先週教えたハートの折り紙でお手紙をくれました。そこには、「やさしくしてくれてありがとう」教えたばかりの「~してくれて」を使ってくれていました。「いつもたくさんお話きかせてくれてありがとう」
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