2019年7月7日日曜日

恩送り

「どうしてそんなに優しくしてくれるの?」
外国籍のご家族の方に尋ねられました。
なにか下心があるんじゃない?なんて疑われてるのかもしれません(笑)

私は、自分自身が10年くらい「外国人」でした。いろいろな国に暮らす機会があり、言葉や文化、制度の壁にたくさんぶつかって、そんなとき、その土地の人たちがごく普通に寄り添ってくれました。

フィリピンでホームステイさせてくれたおうちは、両親が日本に出稼ぎし、仕送りでやりくりするおうちで、そんな中無償で私を受け入れてくれ、みんなで川の字で寝て、楽しみは一緒にたわいないおしゃべりをしながらのお散歩でした。親が日本でお世話になってるからね、日本から私たちの国にボランティアに来てるあなたにを大事にしないとね、と。

パプアニューギニアでは、だれまでが親族なのかわからないような大家族のおうちにホームステイさせてもらい、数えきれないほど地元の行事に呼んでもらい、ご馳走になり、マラリアで朦朧としていたときは1週間泊りがけで看病してくれたり、別れ際にたくさんの人たちが泣いてくれたのも昨日の事のようです。

カナダでは自分が外国人だということを忘れそうになるくらいに多様な人たちとの日々でした。

そして今、私自身が自分の国に暮らす「その土地の人」です。自分がこれまでさりげなく受け取ってきたものを、ただそれと同じことをしているだけなんだと思います。もしこのことに名前をつけるならば、恩送りという言葉でしょうか。その単語は忘れてしまったけれど、フィリピンにそれを表す言葉があって、日本に帰ったら恩送りできるね、って言われたことを覚えています。

・・・というわけで、なんにも下心とか、ないんですよ(笑)