2016年10月28日金曜日

体験談

9月に行われた進路ガイダンス。RちゃんとSくんが、それぞれの体験談を発表してくれました。ふたりの心からの率直な発表・・・沁みました。そして、「自分の体験談が少しでも役に立つなら」と、先輩としての役割を感じ、果たそうとしている姿、立派に成長している姿に・・・感動しました。

Rちゃんの体験談を、このブログで紹介してもいいと快く言ってくれました。Rちゃんの来日直後から高校に進学するまでのがんばり、具体的な学習法、心の変化が伝わってくる素晴らしい内容です。学校名、氏名を除き、全文を掲載いたします。


「皆さん、こんにちは、私は大分県立〇〇高校一年生のRです。中国から来ました。今は高校で勉強や部活などを頑張っています。今日は皆さんに自分の日本語の勉強や高校受験について話をします。

 私が初めて日本に来たのが、3年前の春で、事前にカタカナや文法などを勉強していましたが、日本語で話しかけられると、全く意味が不明でした。でも、わからない自分が恥ずかしく、隠そうとして、何でも「はい」と答えて、分かるふりをしました。そして、小学校に1ヶ月通いましたが、日本語の授業がなく、何か喋れるようになったわけでもなく、そのまま卒業して中学校に入学することになりました。

 中1のときは、週に一回日本語ボランティアひまわりの先生に学校に来てもらい、別の教室で日本語を教えてもらっていました。そして学校だけではなく、公民館の日本語教室にも行くようになりました。運良く、教えてくれる先生がとても熱心で優しい方で、出会って最初の授業で、先生のことが好きになりました。授業では、国語の長文問題を解くだけではなく、自分のことや先生のこと、そして日本のことについて、たくさん話しました。それが本当に楽しくて、楽しくて、授業どころか、お喋りになってしまったりもしました。この頃の自分はただ日本語を勉強することを目的にしていました。けれど、学校の教科の授業で、特に国語は、日本人にしかわからないような内容が多かったので、二年生になってからは、国語の授業を理解することを目的にするようになりました。三年生になってからは、高校受験を意識するようになり、目標としている高校に合格できるよう、他の苦手な教科でも点数を上げられるように努力しました。

 私の苦手な教科は歴史と理科です。歴史では、自分で参考書を買って覚えられる所を覚えていました。理科では、全てが苦手なので、まず基本的なことをしっかり押さえてから、問題を解くことに集中していました。そして、受験の一週間前、特に前日では、絶対に焦らないこと、体調管理をしっかりすることが大事です。当日では、今までたくさん頑張ってきた自分を信じて、緊張せずに試験に臨むことが大事です。

そして、勉強に対しての個人的な意見ですが、ただ勉強するとか、頑張るとか,固く考えて、無理をするのではなく、勉強することを自分の趣味として考えてやってみたり、遊び気分で日本の歌を聴いて、その中で単語を覚えてみたり、本当に「楽しい」と思えるような勉強のやり方を探してみてください。そして、そのやり方や考え方によって、今の自分も変わると思います。
    最後に、これから、皆さんが色々なことで、悩んだり落ち込んだりした時に、今日のこの場面を思い出してみて下さい、ここにいるみんなもあなたみたいに悩んでいるんです。不安でいっぱいなんです。だから1人じゃないんだよってことだけは絶対に覚えておいて下さい!そして、自分を日本に連れて来てくれた家族に感謝して、日本語の勉強ができるというチャンスをくれた方々を裏切ることのないように、これからも頑張って下さい!ずっと応援しています。
私の体験発表を聞いて、少しでも皆さんの力になって頂けたらありがたいです!

そして、今回の進路ガイダンスに来て下さった皆様、本日は本当にありがとうございます。
皆様の前で、こんなにもたくさん自分のことを話せることに心より光栄に思っています。
皆様の応援があってこそ、ここまで成長することが出来たと思いますし、皆様の支えがあってこそ、色んなことを乗り越えてこれました。本当にありがとうございます。
進路ガイダンスという大きな場面で話すのはすごく緊張しますが、貴重な機会を下さった恵理さん、本当にありがとうございます。体験発表をやると決めてから、色々悩んだり、体まで反応が出てしまうぐらい自分を追い込んでしまったりして、たくさん心配をかけて本当に申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございます!
この経験をいかして、これからも、交流会でも高校でも一生懸命頑張ります。
本日はありがとうございました。

    
大分〇〇高校一年生   R」