2018年11月15日木曜日

学齢超過

夏に出会ったSちゃん、16歳。母国で中学校を卒業して、ご両親のお仕事の都合で来日しました。日本語はゼロ。既卒ということで、中学校の受け入れはしてもらえず、日本語ゼロ、9月ということもあり、高校に入学することもできません。どうにかして、日本語の力をつけて、来春、高校に入れるようサポートしようということになりましたが、彼女が全日制で通える日本語学校も別府にはなく。ボランティアで指導できる方たちと協力し、現在週に6日間、Sちゃんは日本語を勉強しています。

私は毎週木曜90分、Sちゃんと初級日本語の本をひたすら進めています。事情を知ったSちゃんと同じ国の留学生が、毎回そばに座って、母語での説明が必要そうなときはそっと助けてくれるようになりました。Sちゃんの優しい人柄で、いつの間にか、彼女に寄り添う人たちが増えてきたように思います。

Sちゃんがこうして日本語を学習できる環境を得たこと、それはとてもよかったと思うのですが、それがボランティアによるものだということは、やはり問題だと。彼女のように学齢超過で来日する子どもたちは一定数いるはずです。その対応がボランティア頼みではあまりにも不安定すぎます。

他国の言語政策を調べていると、公的な日本語学習の制度や学校での言語支援の仕組みなど、さまざまな事例があります。世間では外国人労働者受け入れに関連した日本語教育施策の必要性が紙面を賑わせていますが、現実に今すぐにもそれを必要としている子どもたちと日々接していると、いつか公的制度が充実する日まで、ただ待っているわけにはいかないのです。目の前の子どもたちはどんどん成長していっているのですから。。。