2018年9月20日木曜日

Sちゃんの気持ち

Sちゃんのことを身内のように心配してくれているKさんから電話がありました。
Sちゃんとお母さんとのケンカが絶えないと。ある時は叫び、ある時は真夜中まで言い合いが続くんです・・・仲裁するKさんからの相談でした。

学校やわくわくでは、とても「お利口さん」なSちゃんからは叫ぶ姿は想像できず、驚きました。でも、外で「お利口さん」の分、慣れない日本語での世界で日々をがんばっている分、お母さんの前で押さえているものが噴出しているのかもしれないと思いました。

私の周りには、Sちゃんのように「呼び寄せ」られたこどもたちが少なくありません。母国で離婚し、祖母に子育てを頼み、日本で再婚して新しい家族を築き、ある程度基盤ができてから、母国の子を呼び寄せる。呼び寄せられた子は、大抵日本語は全くわからず、新しい日本人のお父さんに養ってもらう生活がスタートする。学校では日本語がゼロの状態で、すべてがリセットされた生活がスタートする。長い間離れていたお母さんとの関係も、年齢によっては難しい。

まだ幼いSちゃんの心がいっぱいいっぱいになって、「叫ぶ」気持ちになるのも無理はないかもしれません。でも、学校では「叫ぶ」こともできない。そんなSちゃんの気持ちを受け止めることも、お母さんには難しいということも事実で。

諦めない気持ちと、相談できる人と、逃げだせる場所が必要だと思います。形式的なことはわかっていても、実際、Sちゃんやお母さんに私は何ができるんでしょうか・・・