2017年6月23日金曜日

公立学校に通う「日本語がわからない子ども」初の4万人台に

公立学校に通う「日本語がわからない子ども」43,947人ー初の4万人台に
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaiki/20170614-00072060/
(以下、ニュースより抜粋)
2018年6月13日、文部科学省より「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」、平成28年度(最新版)の結果が公表されました。以前からたびたびご紹介していたこの調査は、公立小、中、高等学校、特別支援学校等に在籍する子どもを対象として、平成3年にスタート。平成22年度までは毎年、平成24年度からは2年ごとに調査を実施し、その結果が公表されています
前回の調査(平成26年度)では、日本語指導が必要な子どもの数は「約37,000人」でしたが、2年後の最新版で公表された数字は「43,947人」。10年前の平成16年度調査と比較すると、約1.6倍の増加となり、初の4万人台を越えました。
この内、外国籍の子どもは34,335人。前回調査時点で29,198人でしたので、5,000人以上の増加に。また、日本国籍ではあるものの日本語を母語としない子どもや、いわゆる「ハーフ」「ダブル」など国際結婚家庭の子などで、日本語指導が必要な子どもが9,612人おり、前回調査比21.7%の増加となりました。

増加のスピードに追い付かない学校現場

日本語指導が必要な児童生徒は、今や、全市町村(1,741)の半数に上ります。都道府県レベルでみても、日本語がわからない子どもの在籍数が2年前より減少に転じたのは、岩手県や高知県などの限られた自治体にとどまり、全国的に増加傾向にあります。
一方、こうした子どもたちを受け入れる学校での指導体制の整備が追いついておらず、日本語学習など特別なサポートが得られている子どもの人数は増えているにも関わらず、割合は、前回調査より外国籍で6%、日本国籍で4%減少する結果となりました。
数にして10,400人もの子どもたちが日本語がわからないにも関わらず、学校で何の支援も受けられていない無支援の状態に置かれています。学校外でボランティア団体等による支援を受けている可能性もありますが、彼らが日常生活の大半を過ごす学校の中でサポートが得られない状況は、子どもたちにとって大きな苦痛であり、気づいたら学校から足が遠のき、不登校状態に陥るリスクを高めます。

日本語がわからない子どもたちを、なぜ学校は放置してしまうのか

今回の調査の中では、日本語がわからない子どもたちに、学校が支援を提供できない理由が明らかにされています。最も理由として多く挙げられたのは、「日本語指導を行う人がいない(2,391校)」で、第2位に「在籍学級で対応できる(1,907校)」、以下、「教室や時間がない」、「日本語の指導方法がわからない、教材がない」と続きました(複数回答)
とにかく対応できる人もいなければ、場所も時間もないし、どうやって日本語を教えればいいのかすらわからない!という教育現場の悲鳴が聞こえるようです。
学校教員の多忙さがクローズアップされる現在、日本語がわからない子どもへ適切な支援環境を提供できる学校がどのくらいあるでしょうか。
実は、メディアで時々見かけるような、生徒の4割が外国にルーツを持っている学校や、日本語学級が設置されている学校、日常的な支援体制が構築されている学校の方が「レア」であり、日本語指導が必要な子どもを抱える半数以上の学校が、日本語がわからない子どもはその学校で1人または2人だけ、という状況にあります。
ぽつんと転入してきた日本語がわからない子どものために、特別な対応ができる人材やノウハウを確保できず困り果てているのが現状です。
・・・外国ルーツの子どもたちに関するニュースを目にする機会が増えてきたなと思います。全国的に見てもまだまだサポート体制の整備が追い付いていない現状ではあるものの、サポート体制の充実に向けて、国レベル、地域レベルで様々な動きが加速し始めていることも感じます。まだまだ時間はかかりそうですが、目の前の子どもたちがいきいきと過ごせるようできるよう、できることをひとつひとつやっていきたいと思います。