2025年2月1日土曜日

ラマダーンのこと

ムスリムのこどもたちと過ごすみなさま

別府にはモスクがあり、たくさんのムスリムの子どもたちが暮らしています。今年のラマダーンはいつかな?と気にされている方もいるかと思います。ラマダーンはいわゆる断食(日が出ている間飲食をしない)、ムスリムの子たちでラマダーンをする年齢の子たち(年齢も地域や家庭によって異なると思います)は学校で給食の時間、静かに過ごせる部屋を用意したり、体育や遠足のときの配慮が必要な場面などがあります。ムスリムのこどもたちの大切していることについて知ることも大切にしたいという思いを込めて、以下、こどもメールでいただいた情報をシェアいたします。

今年もあと1か月後にイスラーム暦第9月(ラマダーン月:断食月)が始まります。日本では明日(1月31日)からヒジュラ暦第8月(シャアバーン月)が始まります。シャアバーン月の29日目(2月28日)の夜、新月が観測されれば、ラマダーンは3月1日(土)から始まります。新月が観測されなければ、3月2日(日)がラマダーン初日になります。

ラマダーン月は29日間または30日間です。

イード・ル・フィトル(断食明けのお祭り)については、ラマダーン月の29日目(3月29日または30日)に新月が観測されれば、翌日がイード・ル・フィトル(断食明けのお祭り)となります。今のところ、イードの可能性は3月30日(日)、31日(月)、41日(火)のいずれかです。ラマダーン月(3/1または3/2)が始まれば、2つの候補日に絞られます。

なお、トルコでは天文学的にヒジュラ暦が制定されているので、日本に在住するトルコ人の方はトルコの暦で生活していらっしゃる方も多いです。トルコのヒジュラ暦での今年のラマダーン初日は31日、イードは330日に確定しています。

トルコでは天文学上の暦に従って生活していますので、日本に在住するトルコ人はトルコの暦に従い、3月1日(土)から3月29日(土)までをラマダーンとして断食する方が多いです。トルコ系の東京ジャーミイのイードの礼拝も3月30日(日)に行われます。

 それ以外のほとんどのイスラーム圏はスンナ(預言者ムハンマドの慣行:ハディースにも記述あり)に従い、毎月ヒジュラ暦の29日目に目視で新月を確認して、新しい月の始まりが確定します。国や地域によって、新月が確認できるか否かまちまちなので、ラマダーン初日もそれぞれの国によってずれが生じます。

日本でのラマダーン初日は2月28日(金)の夜の新月観測によって確定します。日本は空が明るくて、ほぼ毎年、新月は観測できません。その場合は、日本から一番近いイスラームの国のマレーシアの観測結果に従うことになっていますので、日本でのラマダーン初日の発表は、2月28日(金)21時ごろになります。

みなさんのまわりにいるムスリムのこどもたちに、よかったら、ラマダーンのこと、聞いてみてください(^^) ちなみに去年はじめてラマダーンをした小2のSちゃんに聞いたら、おはなはすいたけど、イードのお祝いが楽しかったことやラマダーンできたことをとても誇らしそうに語ってくれたのが印象的でした。

こどもメールには、多文化に生きるこどもたちの生活や教育に関するさまざまな情報が届きます。こどもメールは中国帰国者支援・交流センター教務の方が運営してくださっています。興味のある方は以下のサイトをご覧ください。

https://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/ml/kodomo/kodomo_mail.htm


2025年1月30日木曜日

やさしい日本語のこと

 6年生の総合の時間、大分・福岡の入国管理局の方たちが「やさしい日本語」講座を開いてくれました。クラスにはまだ日本語を学び始めて9か月のMくんがいます。日本語でのコミュニケーションができるようになってきたものの、まだ知らない表現、ことばの中で一生懸命がんばっている姿をクラスのみんなは知っています。

通訳するとなると、Mくんの母語であるベンガル語話者をみつけるのは簡単ではないし、英語が得意といっても、なんでも言えるわけではありません。

「やさしい日本語」、Mくんひとりががんばるのではなくて、周りのみんなが「やさしい気持ち」を持ち寄って歩み寄るという視点

クラスメイトのみんなの感想にその気づきがたくさんあってうれしくなりました。

ちょうど、1月29日、やさしい日本語アニメ「やさしさが、あったから」が公開されました。

「易しい言葉」と「優しい気持ち」両方の大切さが伝わってきます。

https://www.youtube.com/watch?v=EdPIYUrwRm4


 

2024年11月17日日曜日

地球っ子わくわく広場 11月 運動会

今年の地球っ子わくわく広場の運動会、別府翔青高校グローバルコミュニケーション科のみなさんが企画してくれました♪とってもわくわくする楽しいプログラムに、こどもたちはおおはしゃぎでした。高校生の活躍がうれしい特別な運動会になりました。







 




2024年10月11日金曜日

運動会という学校文化

 運動会まであと1週間、毎日のように体育があって、ダンスや競技、応援合戦、入退場の練習の日が続いています。9月に転入したばかりのTくん、今日はクラスでいろいろあって、教室でいられないくらい落ち込んでいました。手洗い場で顔を洗うふりをして、泣いていたようでした・・・「みんなで一致団結しようって、みんなダンス合わせるのをがんばってるのに、ちがう動きをしてふざけてる、わるい!」という内容のことを、複数のクラスメイトから何度か言われたようでした。「どうしても合わせたくないんだったら、ダンス一緒にしなければいいのに!」と言う子も・・・

例えば、開会式や閉会式でもみんなが体育すわりをしているのを見て、どうして同じように座らないといけないの?というTくんにとって、みんな同じ動きをしないと怒られるという日本の学校文化、集団行動や規律を大切にする価値観は、すごく違和感を感じることなのでしょう・・・

私は、Tくんのそばで文化通訳をします。そして、Tくんの国と日本の学校文化の違いを知ってもらった上で、どうしたいかを尋ねます。クラスメイトの子たちは、自分たちのやり方が正しいと信じて疑っていないという状況、日本の「よい」ができないと「だめ」の烙印を押すという状況を変えたい・・・クラスで話し合いの場を持たなければと思います。


2024年8月14日水曜日

わくわく夏まつり2024

 今年はとっても暑くて~ ぜひ、地球っ子わくわく広場で涼しく夏祭りを楽しみに来てください♪わなげ、金魚すくい、射的などの遊びいろいろ、ゆかたの着付けコーナー、フォトブースも!今回は、おうちの人たちがゆっくり交流できるようなスペースも用意したいと思います。





2024年8月5日月曜日

合同新聞記事:外国人児童・生徒52人が学ぶ別府市、日本語指導員を配置 中央小を拠点校に

 

外国人児童・生徒52人が学ぶ別府市、日本語指導員を配置 中央小を拠点校に



児童に日本語を教える立山愛さん(右)=別府市の別府中央小

 【別府】別府市教委は、日本語の支援が必要な外国人児童・生徒を指導する「日本語指導員(会計年度任用職員)」1人を別府中央小に配置している。対象となる子どもの数が増加傾向にあり、支援のニーズが高まっているという。同小を市内の拠点校に位置づけ、継続的で安定的な指導につなげる。

 同小の国際教室「スマイル・ルーム」では7月中旬、バングラデシュ出身の児童2人が日本語の授業を受けていた。日本語指導員の立山愛さん(51)と教育相談員1人が主に担当している。
 児童は「もうすぐなつやすみです」などの一文を聞いて平仮名で書き取った。「一番欲しいもの」を尋ねる練習もした。立山さんはつまずきを観察しながら丁寧に教えた。

 別府市は全国的にみても生活している外国人が多く、小中学校にも多数の外国人児童・生徒が在籍する。市教委によると、コロナ禍だった2022年度(5月時点)は30人だったが、入国規制が緩和されて一気に増加。23年度(同)は50人、本年度(同)は52人が公立小・中学校に通う。
 日本語を分からないまま来日するケースが多く、支援が必要な子どもの数は右肩上がりの傾向にある。文化の壁から学校生活に適応させるためのサポートも求められる。
 これまで同市は有償ボランティアの教育相談員のみを必要に応じて配置してきたものの、指導できる時間に制限があった。
 十分な時間を確保しつつ、日本語レベルに応じた適切な支援をしようと、昨年度から日本語指導員の配置を始めた。

 立山さんは市内の小中学校で教育相談員を務めた経験があり、別府中央小には4月に着任。同小には7月時点で支援を必要とする児童が10人在籍し、登校から下校まで常駐して対応している。
 国際教室での「取り出し指導」、クラスでの授業の手助けをする「入り込み指導」など日本語能力に合わせてサポートする。日本語でのコミュニケーションが難しい保護者のケアにも当たり、学校で管理職や担任教員との連携を密にすることも可能になった。
 立山さんは「彼らは日本と母国の二つの文化が分かる人材としての強みがある。複雑な思考に必要な学習言語を身に付け、考える力や伝える力を養い、幅広い視点でものが見られるよう育ってほしい」と願う。
 市教委学校教育課は「グローバル化の進展に合わせ、外国から来た児童・生徒が安心して学べる環境づくりが必要。別府中央小での実践を他校にも生かしたい」と話している。

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2024/08/03/JDC2024072300726

2024年7月8日月曜日

わたしはおよぎたいです。

 「~たいです」の勉強をしました。お願い事、書いてねというと、Nちゃんは、真っ先に七夕の笹かざりに「わたしはおよぎたいです。」と書きました。

学校ではプールの授業が始まりましたが、Nちゃんはムスリムで、おうちの方からのお許しがでないため、入ることができません。プールサイドでクラスメイトの楽しそうな様子を見ながら、担任の先生が用意してくれた大きなたらいで水遊びをしました。でも、Nちゃんがいうには、おうちの人に「泳ぎたい」というわけにはいかないのだそうです。

私は、私の娘がNちゃんくらいの時に来ていた水着と全身が隠せるような長袖のラッシュガードとスパッツを持ってNちゃんのおうちに行くことにしました。それは、Nちゃんのおうちの方たちに失礼なことかもしれないと思いつつ・・・この小学校は海沿いにあり、水泳は、いざというときに命を守るための大切な授業の一環であることを伝えました。おうちの人は、水着を受け取ってくれ、考えてみる、ということになりました。

その翌日学校で、Nちゃんはとてもうれしそうに泳いでもいいという許可をもらったと報告してくれました。結局、数回だけの許可にはなりましたが、それでも、クラスのみんなと一緒に泳げた経験ができてよかったと思いたいです。

Nちゃんにはお兄ちゃんがいますが、お兄ちゃんは水泳の授業を受けています。お兄ちゃんは毎週金曜日は特別なお祈りのために一時帰宅します。Nちゃんはしません。女の子だから、男の子だから、という違いは大きいようです。日本にきて、Nちゃんはムスリムの文化と、日本の学校文化の違いを目の当たりにして育つことで、いろいろ葛藤も抱えることでしょう。彼女が抱える葛藤を丁寧に聴きながら、彼女やおうちの方と対話していくことくらいしかできませんが、どちらの文化も尊重し合いながら、よい折り合いを探していけたらと思います。