別府市では日本語指導の拠点校にと、別府中央小学校に国際教室が設置されました。そこに通う子どもたちと「スマイルワールドフェスティバル」を実施しました。
多文化に生きる子どもたちの教育という文脈では、どうしても、当事者たちがどのように言葉や文化の壁を乗り越えていけるか、そのためにどんな支援ができるのか、という支援される側、支援する側という構図で語られることが多いように思います。「サポートが必要な子たち」というアイデンティティのみを押し付けてはいないか、子どもたちのもつさまざまなことばの力や多面的なアイデンティティに光をあてることも、教師の重要な役割ではないかと取り組みを振り返って感じています。子どもたちを取り囲む学校というホスト社会側が学び、変わっていくこと、そのことが学校の多文化共生につながっていくのではないか・・・今回のスマイルワールドフェスティバルのように子どもたちから発信し、共に学び合える工夫や仕掛けをしていくことで、学校全体をインクルーシブな教育環境にしていける可能性も感じました。これからも、学校の多文化共生に向けて、国際教室が果たせる役割とそのために具体的にどのような実践ができるのかを考えていきたいです。
目的
➀ 日本語を学ぶ子どもたちが、学んできた日本語や、自分たちの言語・文化を他者に発信・紹介する活動を通し、他者からの承認を得る機会を作り、自己肯定感・アイデンティティの意識を高める。
➁ 別府中央小学校で学ぶ子どもたちが、日本語を学ぶ子どもたちの作成した作品や活動に触れることで、さまざまな言語、文化、考え方があることを身近に感じる機会にする。
内容
➀ 展示「おんなじってうれしい、ちがうってたのしい」
スマイルルームの廊下や掲示板に「おんなじってうれしい、ちがうってたのしい」をテーマに、スマイルルームの児童が制作した作品や伝統衣装を展示
➁ 動画作成
自分たちのことばを使った動画を作成、フェスティバル期間中、教室で流せるようにする。・歌「しあわせなら手をたたこう」(5か国語バージョン)
・世界のことばで「こんにちは」
➂ おなまえやさん
自分たちのことば(ベンガル語、ウルドゥー語、モンゴル語等)で、来てくれる子たちの名前を書いてプレゼントする。(フェスティバル期間、昼休みにスマイルルームで)
➃ 総合の時間 「もしも世界が100人の村だったら」
世界の多様性を体験的に学ぶワークショップ ファシリテーターは大学生