きてほしいとお願いされたので」と照れたような嬉しいような顔でおっしゃいました。英語で読むか、ベトナム語で読むか悩んでおられたので、是非、ベトナム語でと提案しました。「クラスの子たち、わからないでしょう?」と心配されたので、「わからなくても、絵を見て想像してもらったらいいと思うし、ベトナム語の音に出会う機会になったら」と言ったら、笑顔でベトナム語で読み聞かせしてくれました。クラスの中でベトナム語を話したことがないHくんの教室に響いたお母さんのベトナム語。お母さんの読み聞かせを聞いているHくんの誇らしそうな表情は忘れられません。普段なかなか意識することのない「アイデンティティ」、母語はその中でも大きい存在だと思います。クラスの子たちにとっても、いつものHくんと反対の立場を体験して(知らない言語に包まれるという体験)いろいろなことを感じる機会になったらいいなと思います。