2024年7月8日月曜日

わたしはおよぎたいです。

 「~たいです」の勉強をしました。お願い事、書いてねというと、Nちゃんは、真っ先に七夕の笹かざりに「わたしはおよぎたいです。」と書きました。

学校ではプールの授業が始まりましたが、Nちゃんはムスリムで、おうちの方からのお許しがでないため、入ることができません。プールサイドでクラスメイトの楽しそうな様子を見ながら、担任の先生が用意してくれた大きなたらいで水遊びをしました。でも、Nちゃんがいうには、おうちの人に「泳ぎたい」というわけにはいかないのだそうです。

私は、私の娘がNちゃんくらいの時に来ていた水着と全身が隠せるような長袖のラッシュガードとスパッツを持ってNちゃんのおうちに行くことにしました。それは、Nちゃんのおうちの方たちに失礼なことかもしれないと思いつつ・・・この小学校は海沿いにあり、水泳は、いざというときに命を守るための大切な授業の一環であることを伝えました。おうちの人は、水着を受け取ってくれ、考えてみる、ということになりました。

その翌日学校で、Nちゃんはとてもうれしそうに泳いでもいいという許可をもらったと報告してくれました。結局、数回だけの許可にはなりましたが、それでも、クラスのみんなと一緒に泳げた経験ができてよかったと思いたいです。

Nちゃんにはお兄ちゃんがいますが、お兄ちゃんは水泳の授業を受けています。お兄ちゃんは毎週金曜日は特別なお祈りのために一時帰宅します。Nちゃんはしません。女の子だから、男の子だから、という違いは大きいようです。日本にきて、Nちゃんはムスリムの文化と、日本の学校文化の違いを目の当たりにして育つことで、いろいろ葛藤も抱えることでしょう。彼女が抱える葛藤を丁寧に聴きながら、彼女やおうちの方と対話していくことくらいしかできませんが、どちらの文化も尊重し合いながら、よい折り合いを探していけたらと思います。