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2020年1月10日金曜日

日本語指導が必要な児童生徒の支援のあり方に関する研究について(備忘録)

日本語指導が必要な児童生徒の支援のあり方に関する研究について(備忘録)

5年以内の研究に関すること(2020.1現在)

日本コミュニケーション学会九州支部第25回大会 パネルディスカッション パネリスト
題目:別府市における多文化共生の道のり 2018.9.22 於:ホルトホール大分

別府大学日本語教育研究「別府市における日本語指導が必要な児童生徒に対する日本語指導の体制整備」別府大学日本語教育研究センター紀要投稿(8)21-30,2018

子どもの日本語教育研修会第2回研究会 ポスター発表
題目:日本語指導が必要な児童生徒の散在地域における日本語指導体制の整備‐大分県別府市における実践‐ 2017.12.10 於:東北大学

別府大学日本語教育研究「別府市における日本語指導が必要な児童生徒に対する教育支援のあり方について」別府大学日本語教育研究センター紀要投稿(7)33-41,2017

大分県教育委員会主催 グローバル人材育成推進プラン 高校教諭対象グローバル教育研修講師 題目:協議する力の育成を目指した体験的参加型授業と今後の指導の在り方
2017.8.30 於:大分県教育センター

大分県教育庁・人権同和教育課発行『大分県・外国人児童生徒受入れマニュアル』作成 2016.1-2016.12

大分県教育庁人権・同和教育課主催 人権問題講師育成研修 講演
題目:外国人児童生徒の人権について  2016.9.15 於:別府市社会教育総合センター

大分県教育委員会主催 グローバル人材育成推進事業 グローバルリーダー育成塾 講演
題目:世界と私たちのつながり 2016.6.25 於:大分県教育センター

大分県教育庁人権・同和教育課主催 外国人児童生徒担当者研修 講演 
題目:外国にルーツを持つ児童生徒の学びを支える指導の実際 2015.12.3 於:別府市社会教育総合センター


2017年12月11日月曜日

子どもの日本語教育研究会 第2回

12月10日、子どもの日本語教育研究会が東北大学で開催されました。ここ2年の別府市での取り組みを発表するために、「日本語指導が必要な児童生徒の支援のあり方」のプロジェクトメンバーと一緒に参加してきました。

https://www.kodomo-no-nihongo.com/

午前のポスター発表、午後のパネルディスカッション合わせて200名以上の参加があったそうで、東北にいるということを忘れるくらい熱い1日になりました。全国各地からの参加があり、一言に「子どもの日本語」と言っても、その地域の背景によって、様々な関わり方、アプローチがあるということを、改めて実感しました。

そして印象に残ったのは午後のパネルセッション「外国につながる子どもと家族が地域で生きること」のパネラーの方々の実体験に基づいたお話でした。分科会では「母語継承の意義」に関するディスカッションに参加したのですが、自分の中では「母語=アイデンティティ、母語は大切」という鉄則が知識としてはあったのですが、それを現実の世界で実現させるには、生半可な気持ちや努力ではできないのだということを、その渦中にいる方々とのディスカッションの中で、痛感しました。

実際、別府市で出会ってきた国際結婚での来日家族、再婚で子どもたちが実父でない日本人の場合、積極的に母語を捨てようとする(させる)お母さんたちに何人か出会ってきました。こちらが母語継承の意義を伝えたところで、聞き入れてもらえる感じがしない場合が多く・・・大人の事情があるにせよ、やはり、子ども自身のアイデンティティー形成や理論的思考能力、それはその子の一生を左右する大事だと思うのです・・・諦めずに伝えていかなければと思いました。

改めて、研究会での様々な生の出会いで、大切なことを確認できたように思います。「子どもの日本語」というのは、学術的なアプローチの他に様々なことが絡み合っていること。肝に銘じてこれからも活動していきたいです。

2015年7月1日水曜日

日本語指導が必要な児童生徒の支援のあり方に関する調査・研究

別府市における日本語指導が必要な児童生徒に対する支援のあり方に関する研究

目的・目標

別府市における日本語指導が必要な児童生徒に対する支援のあり方を検討することを目的とし、そのような児童生徒に対して、一人ひとりの実態に応じたきめ細やかいかつ持続可能な支援ができる仕組みを提案することを目標に、2015年6月、本プロジェクトが始動しました。研究メンバーは立命館アジア太平洋大学、別府大学の教員4名。

計画・方法

1)別府市在住の対象児童生徒の個人調書の作成
2)別府市における取組みの現状の把握・分析
3)他の自治体における先進的取り組みの調査・分析
4)学校教育の一環として行う日本語指導の要領案の作成
5)日本語指導関係者のネットワーク作り

協賛

立命館アジア太平洋大学ムスリム研究センター
株式会社インスパイア
株式会社大分銀行

追って、調査・研究報告をしていきます。

2015年6月30日火曜日

別府市における日本語指導が必要な児童生徒に対する支援の現状と課題

大分県別府市は「日本一の留学生のまち」を名乗っている(朝日新聞 2014年11月19日付)。市独自の調査によると、2013年5月現在、同市の人口(12万1551人)に対する留学生居住者(2775人)の比率は2.28%で、全国の市・区でトップである。この要因として、2000年に大分県及び別府市の協力を得て開学し、現在、約80の国・地域からの留学生約2700人が在籍する立命館アジア太平洋大学(以下、APU)の存在が大きい。開学当初は、外国人の急増に対して地域住民に困惑はあったものの、開学10周年を迎えた頃には、APUが地域の国際化・活性化に寄与したなどとして肯定的に評価されるようになった(大分県・別府市 2010)。こうした成果を踏まえて、別府市は更に留学生の受入れ促進に取組むと共に、留学生に対する支援と彼らの積極的な活用を図ることによって、留学生と共存する住みやすいまちづくりを目指したい考えだ(朝日新聞 2014年11月19日付)。
しかし、留学生に関わる行政の取組みが活発化する一方で、外国人児童生徒、その中でもとりわけ日本語指導が必要な児童生徒に対する支援は遅れている。2014年5月現在、大分県の公立小・中・高等学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒の数は39人となっている(文部科学省 2015)。その約半数は、APUの留学生(大学院生)や外国籍教職員が家族同伴で多く暮らす別府市に在住しているものと見られる。別府市では、APUの開学に合わせて、2000年度に「外国人子女等教育相談員派遣事業」が始まった。この事業では、公立小・中学校に在籍する外国人児童生徒に対して、必要に応じて児童生徒の母語が分かる支援員を派遣し、児童生徒、保護者、教員等の教育相談体制の充実を図っている(総務省 2015)。しかし、日本語指導は、現行制度の下では学校の教育課程に位置づけられていないということもあって、行われていない。
就学あるいは就労する父兄に伴われて来日する外国人児童生徒は、第二言語である日本語を日常的に使うことが多くなることから、生活言語としての日本語は比較的容易に習得していく。他方、教科学習に必要な日本語、つまり学習言語としての日本語の習得となるとなかなか進まないことから、学校で勉強についていくことが困難となる。また、彼らの多くは、第一言語である母語の発達途上にあるにもかかわらず、日本語の使用が急激に増えることから、母語能力を急速に喪失する。最悪の場合、母語も日本語も読み書きが十分にできるレベルにまで発達させることができない。
文部科学省(2013)は、2012年度に、このような児童生徒に対して学校教育の一環として行う日本語指導のあり方について具体的な検討を行った。その結果、児童生徒が学校教育において各教科その他の教育活動に日本語で参加できることを目的として、在籍する学級以外の教室で指導を行う「取り出し指導」を行うことや、指導者に対して指導計画の作成や児童生徒に対する学習評価の実施を求めることを提案した。それを踏まえ、多くの地方自治体が、日本語指導ができる支援員の派遣を含め、外国人児童生徒等に対してきめ細かな支援事業を始めている(文部科学省 2014)。こうした全国的な動きにも関わらず、別府市における支援体制は、児童生徒の母語が分かる教育相談員の派遣に留まっており、しかも、派遣期間は、予算の都合上、転入後96単位時間と限られている。また、児童生徒の母語が英語、中国語、韓国語といった日本では馴染みのある外国語であるならまだしも、それ以外の言語(例えば、イスラム圏の言語)である場合は、その母語が分かる教育相談員を確保すること自体が困難であるという現状もある。

国際化に伴って移動するは大人だけではなく、子どももである。国際化が加速する別府市においては外国人留学生の存在に注目が集まりがちだが、このような子どもたちが不安や問題を抱えながら日々を送っている現状を直視し、地域が一体となって、彼らを地域社会の構成員として支援していく必要がある。彼らが自分に自信と誇りを持って自己実現を図ることができる機会を保障することを追求すると共に、国籍や民族の異なる人々が、互いの文化的相違を認め合い、尊重し合い、そして対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に生きていくことができるような多文化共生社会の実現に繋がる公的な仕組み作りが求められているのではないだろうか。

【引用文献】

朝日新聞(2014年11月19日付)「別府市、留学生日本一だった! 市独自に算出 人口比、全国自治体で最高」朝刊、p. 30.
大分県・別府市(2010)『大学誘致に伴う波及効果の検証:立命館アジア太平洋大学(APU)開学10周年を迎えて』
総務省(2015)「外国人子女等教育相談員派遣事業(大分県別府市)」『地域の元気創造プラットフォーム公式サイト』http://www.chiikinogennki.soumu.go.jp/jirei/oita/2015-0225-1513-1907.html

文部科学省(2013)『日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の在り方について(審議のまとめ)』http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/05/__icsFiles/afieldfile/2013/07/02/1335783_1_1.pd